応用電子はUSBメモリを利用したシンクライアントシステム「FKEY」を開発し、7月25日より評価版の出荷を開始した。既存のPCにUSBメモリを差し込むとLinux OSが起動し、サーバに接続してサーバ上のアプリケーションが利用できる。USBメモリやPC上にはデータが残らないため、個人情報などの漏洩を防止できる。
OSには独自開発したLinux OS「AB Linux」を採用した。AB Linuxは、1CD LinuxのBerry Linuxをベースに、Berry Linux開発者の中田裕一朗氏(応用電子組込リナックス研究所長)と、同社代表取締役副社長の金子光裕氏が共同で開発したもので、512MバイトのUSBメモリに搭載できる点が特徴だ。
また、指紋認証に対応する。これにより、あらかじめ登録したユーザーのみが利用でき、安全性がより高まる。
VPN接続クライアントを標準で搭載しており、Citrix Access GatewayやF5ネットワークス FirePassのSSL-VPN、IP-Sec VPN、PacketixなどのソフトウエアVPNに対応する。また、ブラウザとしてFirefoxを内蔵しており、ウェブサイトの閲覧も可能だ。
推奨ハードウェアは三谷商事のBioSlimDisk iDEA-Pro、ソニーのPUPPY FIU-850-MO3、SanDiskのCruzer Profile。
価格はシステム構成などにより異なるが、USBメモリ込みで1ユーザーあたり4万円程度となる見込みだ。代理店を通じて販売する。