日立システムアンドサービスは8月30日、UFJISが「ポータブル セキュア クライアントμVNC」を利用した携帯電話から社内ポータルへ安全にアクセスできるシステムを構築し、7月31日から試行運用を開始したことを発表した。UFJISは、三菱UFJグループでシステムの企画・開発・保守を行っている。
UFJISでは、「30秒の隙間時間を利用して、社内リソースにアクセス」をコンセプトに、外出先からでも安全・短時間で接続可能なモバイル端末を導入することを計画。その際に、日立システムのμVNCのほか複数製品を評価したうえで、μVNCに決定している。
μVNCに決定したのは、携帯電話からネットを経由して、遠隔地のPCを操作できるアプリケーションソフトウェアであり、アクセスした情報がデータとして携帯電話内に残らないため、携帯電話を紛失した場合でも情報漏洩を防止できること、外出先から社内ポータルへ約15秒で接続でき、圧縮データや差分データを送受信することで、ネットワークへの負荷が少なく、操作時のレスポンスが良いこと――といった理由からだ。
UFJISは、KDDIの携帯電話用アプリケーションプラットフォーム「BREW」上で動作するμVNCを組み込んだ携帯電話を使用し、7月31日から試行運用を開始。運用開始には、μVNCで使用する携帯電話の十字キーにマウスホイールのキーを割り当て、マウスカーソルを自由自在に操作できる機能を追加している。
また、UFJISの社内ポータルがWeb 2.0系の技術を利用していることから、接続先のウェブ画面を携帯電話用として別に定義して、コンテンツの配置や文字の大きさは利用者が自由に変更できるなど、携帯電話から操作しやすい工夫をしているという。