「Deployment Workbench」を使ってWindows Vistaをインストールするには

文:Brien M Posey 翻訳校正:吉井美有 2007年09月11日 20時44分

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 Windows Vistaが登場したことで、さまざまな難題が新たに持ち上がってきた。Vistaを社内に配備するための最適な方法を見つけ出すこともそのひとつだ。配備を速やかに行えるようにMicrosoftによって用意されたツールが「Deployment Workbench」である。本稿では、Brien Poseyがその使い方を解説している。

 ネットワークに接続されたワークステーションにWindowsを配備する最も一般的な方法の1つにディスクイメージング技術を用いるものがある。ディスクイメージングとは、簡単に言うと、デスクトップを配備する際に基準となるPCを設定した後、そのPCのイメージを作成するということだ。このイメージはその後、配備する必要がある他のデスクトップのいずれにでもコピーすることができる。

 数多くのディスクイメージングツールが市場に出回っており、それらにはそれぞれ、独自のメリットとデメリットがある。とはいえ現在Microsoftが推奨しているディスクイメージングツールはDeployment Workbenchである。Deployment WorkbenchはMicrosoftの「Business Desktop Deployment 2007(BDD 2007)」に含まれている無償のアプリケーションで、同社のウェブサイトからダウンロードが可能だ(注:BDD 2007の他言語版は用意されていないが、日本語環境での動作がサポートされている。詳しくはMicrosoft TechNetのBDD紹介ページを参照されたい)。本稿では、Deployment Workbenchの使い方を説明している。

使い方の説明を始める前に

 使い方の説明に入る前に、Deployment Workbenchを使って配布イメージを作成する方法は数多く存在しているということをあらかじめ述べておきたい。こういった方法のすべてについて、1つの記事で(複数の記事でも)解説しきることは不可能なので、特定の方法を1つ取り上げて話を進めたい。ここで取り上げた方法ではあなたのニーズを満たすことができなかったとしても、他の方法が役に立つはずだ。ディスクイメージを作成するその他の方法についての説明は、Deployment Workbenchの使用説明を参照してほしい。

Deployment Workbenchを使う理由

 先ほど述べたようにWindowsワークステーション用のイメージングツールは数多く存在する。それなのに、他のツールではなくDeployment Workbenchを使うべき理由とは何なのだろうかと不思議に思っている読者もいることだろう。無償で手に入ることや、MicrosoftのOSを配布するために開発されたMicrosoftのソリューションであることなど、もっともな理由はたくさんある。

 わたし自身がワークステーションのイメージ作成にDeployment Workbenchを使う理由を挙げるとすれば、柔軟性がもたらされるという点が一番にくるだろう。競合するツールの多くでは、イメージを作成するためにOSや一連のドライバ、標準的なアプリケーション一式を用いてワークステーションの設定を行う必要がある。そしてその後でイメージファイルを作成し、新たな設定が必要な他のワークステーションにそのイメージを配備することになる。

 これは簡単に聞こえるが、あなたの会社が新しいアプリケーションを採用したり、既存アプリケーションのバージョンアップを行ったりする場合にはどうなるのだろうか。この種のイメージングツールを使用している場合には、全く新しいイメージを用意する必要がある。しかし、Deployment Workbenchは違う。Deployment Workbenchでは、静的なイメージを作成することなく、必要に応じてアプリケーションやその他のコンポーネントを追加したり削除したりできるようになっている。これについては、後ほど「イメージへのアプリケーションの追加」というセクションで解説する。

「Windows Automated Installation Kit」のインストール

 インストールを始める前に、Deployment Workbenchの必要なコンポーネントがダウンロード済みであることを確認してほしい。それには左ペインの階層でDeployment Workbenchをオープンした後、[Information Center]−[Components]とたどる。[Components]コンテナを選択すると、ダウンロード可能なコンポーネントの一覧が表示される。利用可能な各コンポーネントを1回に1つづつ選択し、[Download]ボタンを押す。この操作を行うと、Windowsは各コンポーネントをダウンロード待ちの行列に追加する(図Aに示すように「Status」欄に「Queued」と表示される)。

img 図A:OSのイメージを作成するにあたり、Deployment Workbenchのさまざまなコンポーネントをダウンロードしておく必要がある

 コンポーネントのダウンロードが終わると、図Aの「Status」欄が「Downloading」から「Copying」へと変わる。ソフトウェアに不備があるせいか、(わたしのシステムでは)「Copying」が表示されたままになってしまった。適当な時間待ってみても状態が「Copying」のまま変わらない場合には、画面右下にある[Install]ボタンを押し、インストール処理を開始してほしい。

Windowsイメージの作成

 Deployment Workbenchを用いて行う配備のシナリオは数多くある。本稿の目的上、インストールに使うコンポーネントは「Windows Automated Installation Kit」に限定する。

 [Install]ボタンを押すと、Windowsによって「Windows Automated Installation Kit Setup Wizard」が起動される。[Next]ボタンを押してウィザードの「Welcome」画面から次に進むと、エンドユーザー使用許諾契約書(EULA)が表示される。このEULAを受け入れるのであれば[I Agree]ボタンをクリックして[Next]を押す。ウィザードはここで、インストールパスを入力するよう求めてくるので、デフォルトの内容を変更せずに[Next]を押す。これで、Windows Automated Installation Kitのインストール準備が整ったことになる。次に、[Next]ボタンを押してファイルのコピー処理を開始する。ファイルのコピー処理が完了したら、[Close]ボタンを押してウィザードをクローズする。Deployment Workbenchは、この時点でWindows Automated Installation Kitをインストール済みのコンポーネントとして表示しているはずだ(図B)。

img 図B:Deployment Workbenchは、Windows Automated Installation Kitをインストール済みのコンポーネントとして表示する
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
関連キーワード
OS

関連ホワイトペーパー

SpecialPR

  • デジタル変革か?ゲームセットか?

    デジタルを駆使する破壊的なプレーヤーの出現、既存のビジネスモデルで競争力を持つ
    プレイヤーはデジタル活用による変革が迫られている。これを読めばデジタル変革の全体像がわかる!

  • ビジネスの継続的な成長を促す新たなITのビジョン

    多くの企業においてITに求められる役割が、「守り」のコスト削減から「攻め」のビジネス貢献へとシフトしつつある。その中でIBMが提唱する新たなビジョンEnterprise Hybrid ITとは?

連載

CIO
研究現場から見たAI
ITは「ひみつ道具」の夢を見る
内製化とユーザー体験の関係
米ZDNet編集長Larryの独り言
今週の明言
「プロジェクトマネジメント」の解き方
田中克己「2020年のIT企業」
松岡功「一言もの申す」
林 雅之「デジタル未来からの手紙」
谷川耕一「エンプラITならこれは知っとけ」
Fintechの正体
内山悟志「IT部門はどこに向かうのか」
情報通信技術の新しい使い方
三国大洋のスクラップブック
大河原克行のエンプラ徒然
コミュニケーション
情報系システム最適化
モバイル
通信のゆくえを追う
セキュリティ
セキュリティの論点
ネットワークセキュリティ
スペシャル
座談会@ZDNet
Dr.津田のクラウドトップガン対談
CSIRT座談会--バンダイナムコや大成建設、DeNAに聞く
創造的破壊を--次世代SIer座談会
企業決算を追う
「SD-WAN」の現在
展望2017
IBM World of Watson
de:code
Sapphire Now
VMworld
Microsoft WPC
HPE Discover
Oracle OpenWorld
Dell EMC World
AWS re:Invent
PTC LiveWorx
古賀政純「Dockerがもたらすビジネス変革」
さとうなおきの「週刊Azureなう」
誰もが開発者になる時代 ~業務システム開発の現場を行く~
中国ビジネス四方山話
より賢く活用するためのOSS最新動向
「Windows 10」法人導入の手引き
Windows Server 2003サポート終了へ秒読み
米株式動向
実践ビッグデータ
日本株展望
ベトナムでビジネス
アジアのIT
10の事情
エンタープライズトレンド
クラウドと仮想化