マイクロソフトは9月19日、「次世代Webを体感する」をコンセプトとしたカンファレンス「REMIX 07 Tokyo」を開催した。REMIXは、ウェブサイト開発者やデザイナー、クリエイターなどを対象に、世界17都市で展開されている。米国では「MIX」として開催されている。
基調講演には、マイクロソフトの代表執行役社長、Darren Huston氏およびMicrosoftのUXプラットフォーム&ツール担当プロダクトマネジャー、Keith Smith氏が登場。「Innovate your Web Knowledge」をテーマに、同社が考える次世代ウェブ環境や最新のウェブ開発プラットフォームなどを事例を交えて紹介した。
Huston氏はまず、「この5年でPCの性能は10倍に向上し、ストレージはテラバイトになった。今や米国国会図書館の情報の20%が家庭のPCで管理できる。また、ネットワークは光ファイバーになり、いつでもインターネットにつながる時代もやってきた。こうした中、ユーザーインターフェースもより自然なものになっている」と話す。
同氏は、「こうしたメガトレンドに対応するためには、これまでのように単にソフトウェアを提供するだけではなく、ソフトウェアとサービスを組み合わせたプラットフォームが不可欠となる。そこで我々は、次世代のウェブ環境を実現するためのさまざまなツールを提供する」と言う。
そのひとつが9月4日にリリースされたクロスブラウザ/クロスプラットフォーム対応のウェブブラウザプラグイン「Silverlight」だ。
Huston氏に続いてステージに登場したSmith氏は、「Silverlightは、Mac OSでも、Safariでも、Firefoxでも利用できる。また、Novellとの提携により、MoonlightというLinux版のSilverlightも提供する」を話す。
Silverlightは、動画や音声のストリーミング配信、Windows Mediaテクノロジによる再生環境などを搭載したインタラクティブなウェブ環境を短期間、低コストで実現することを目的に開発されたもの。次期バージョンでは、Microsoft VisualStudioやMicrosoft ExpressionStudioなどの.Net開発環境にも対応される。
同日、USEN、GMOホスティング&セキュリティ、NRIネットワークコミュニケーションズ、興和、バスケットボールジャパンTVの5社でSilverlightが採用されたことが発表されている。
基調講演では、USENが無料の動画配信サービス「GyaO」による最新映画予告編の紹介サイトのデモを、GMOホスティング&セキュリティがJリーグジュビロ磐田およびアーティストのアイ武川のサイトのデモを、NRIネットワークコミュニケーションズがバーチャル店舗のデモをそれぞれ紹介した。
マイクロソフトはまた、地図情報プラットフォームである「Microsoft Virtual Earth」に対応した日本国内の地図情報およびVirtual Earthをウェブサイトやソフトウェアと統合するための日本語版開発キット(SDK)の提供も開始した。
基調講演では、リクルートが同社の海外旅行情報サービス「AB-ROAD(エイビーロード)」とVirtual Earthを組み合わせたデモを紹介した。このデモは、同社のウェブサイトでも公開されている。
Smith氏は、「次世代ウェブ実現に向けた勢いが加速している。これに伴いソフトウェアとサービスを組み合わせたプラットフォームの時代が到来した。マイクロソフトは豊かなコンテンツを制作するためのさまざまなツールを今後も提供していく。我々と共に、ウェブの世界に変革を起こそう」と話している。