オープン化するための2番目の「適切な」時期は、プロジェクト(ハイブリッドソースであれクローズドソースであれ)が、ある程度の成功は収めているが、より高いレベルに昇華させるために市場への大幅な浸透が必要な場合である。または、競合他社が自社の市場に進出してきて、その事業が浸食されてしまう前に敵のビジネスを破滅させる方法を探しているという場合である。この場合、オープンソース化は役に立つ。
先に述べた通り、この時点でオープンソース化するのはより容易である。なぜなら、ブランドがより強固になっているからである。問題は、オープン化の判断を遅らせすぎて市場から無視されてしまった場合である。この場合は、必然的に3番目のオプションを選択せざるを得ない。
この3番目のオプションは「破たん」または「妥当性を失ったプロジェクト」とも呼ばれる。負け組の製品をオープンソース化することによってその妥当性を回復したいというなら、言っておきたいことがある。オープンソースライセンス供与というじょうごにごみを入れても、出てくるのはごみでしかない。オープンソースはごみを魔法のようにゴールドに変えてくれるものではない。どちらかといえば、製品の弱点がますます露呈するだけである。
個人的には最初からオープンソース化するのが最善の戦略だと思っているが、ソースコードとともに提供できるその他の価値(ブランド、サービスなど)が十分に高まって買収の案件の1つくらいは決められるようになるまではソースコードを完全に公開できないと考えている企業の心情は痛いほどわかる。しかしとにかく、実際に企業のブランドその他が強力な方がオープンソース化するのが容易であるなら、たとえば、より多くのハイブリッドオープンソース企業が完全にオープンソース化するケースが増えてくるはずである(実際、これを示す例としてSugarCRMがコミュニティー製品にGPLv3を採用したことに言及したいと思う)。
どこかの時点で、市場と緊密なかかわりを維持するために製品を浸透させる必要がある。私自身が見てきた経験から、急速に製品の浸透を達成する最善の方法はオープンソース化である。また、飽和した市場で新しい顧客を獲得するための最善の方法もやはりオーブソース化である。
または、Oracle、IBMやその他の企業がやってきたように外の世界に出て行って買収によって顧客を手に入れることもできる。しかし、これは彼らの従来の営業モデルがうまくいかなくなっていることを示す明確な兆候にすぎない。一方、オープンソースでは、新規の顧客を獲得するという目標を達成するためのより安価な方法が用意されているのである。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ