NECは10月25日、最大ベクトル性能が839テラフロップス(1秒間に1兆回の浮動小数点演算性能)となるスーパーコンピュータ「SXシリーズ モデルSX-9」を発表した。同社によると、SX-9はベクトル型としては世界最高速。同日より世界同時に販売開始する。
新製品は、NECが開発した単一コアあたり102.4ギガフロップス(1秒間に10億回の浮動小数点演算性能)を実現するCPUを搭載し、最大1テラバイトの大規模共有メモリ、および最大128Gbpsの高速インターコネクトなどの強化により、839テラフロップスの性能を実現した。また、最新のLSIテクノロジと高密度実装技術などにより、消費電力と設置面積がいずれも従来比で約4分の1となった。
ベクトル型スーパーコンピュータは、汎用CPUを多数搭載するスカラー型に比べ、科学技術計算や大規模データの超高速計算に優れており、気象予報、流体解析、環境シミュレーション、ナノテクノロジーや高分子設計など、未知の材料のシミュレーション分野で高い実効性能を発揮する。NECのSXシリーズはこれらの領域において、全世界で1000台以上の販売実績を持つ。
SX-9の販売価格は、レンタル月額で298万円(税込み)から。NECでは、今後3年間で700システムの販売を見込んでいる。