インフォマティカ・ジャパンは11月5日、企業内データ統合を促進し、リアルタイムICC（インテグレーションコンピテンシーセンター）を実現するための包括的ソリューションの最新版「Informatica Release 8.5」の出荷を、2007年12月25日より開始することを発表した。最新版は、データ統合エンジンである「PowerCenter 8.5」およびデータアクセス製品である「PowerExchange 8.5」で構成される。
PowerCenter 8.5およびPowerExchange 8.5は、データ統合のためのシステム基盤として標準化と管理環境の一元化を実現し、IT部門のコストを削減することが可能。強化されたリアルタイム機能により、ビジネスユーザーに信頼性の高いデータをタイムリーに提供。ビジネスの変化に柔軟に対応できるIT環境を実現できる。
PowerExchange 8.5は、リアルタイムCDC（Change Data Capture：差分変更データ抽出）により、メインフレームの階層型データベースやOracle、DB2/400など、さまざまなデータソース上で変更された企業データをリアルタイムに収集し、処理することが可能。必要な情報を必要なときにビジネスユーザーに提供することができる。
Informaticaのエグゼクティブバイスプレジデント兼データインテグレーション事業ゼネラルマネジャーであるGirish Pancha氏。
また、PowerCenter 8.5は、信頼性の高いメッセージの配信やシステム障害時における処理の継続を実現する機能を搭載。回復性、リカバリ性、フェールオーバー性を強化し、常に最適な処理を実行することができる。最新版では、機密性が必要なデータの移動時にデータを保護する新しいオプション「Data Masking Option」も提供さている。
Data Masking Optionは、実際にありそうなマスキングデータをリアルタイムに生成し、個人の識別を不可能にすることで情報を保護するPowerCenterのプラグイン機能。複数のデータマスキング方をサポートし、住所、電話番号、クレジットカード番号などの情報を、ランダムなマスキングにより保護することが可能。2008年第1四半期の出荷が予定されている。
最新版ではまた、リアルタイムICCを実現するための新機能が搭載されている。リアルタイムICCは、インテグレーションに関わるスタッフの専門知識の活用や過程、技術、標準テクノロジの利用などを通じ、プロジェクト全体を効率化させる企業の試みだ。
Informaticaのエグゼクティブバイスプレジデント兼データインテグレーション事業ゼネラルマネジャーであるGirish Pancha氏は、「安全で拡張性に優れたプラットフォームを実現可能。信頼できるデータをタイムリーに提供することで、業務横断型のコラボレーションを実現可能。データ統合とデータ品質を向上させるリアルタイムICCを実現することができる」と話す。
インフォマティカ・ジャパンの代表取締役社長、内田雅彦氏。
日本市場向けの展開としては、よりミッションクリティカルな基幹業務データ統合分野にフォーカスし、リアルタイムICCを実現する。そのために、メタデータ管理の重傷性を啓蒙する「ICCフォーラム（仮称）」を設立する計画。また、これまで60％を占めていた金融サービス関連分野へのビジネスに加え、製造、流通、通信などの分野にもビジネスの拡大を目指している。
インフォマティカ・ジャパンの代表取締役社長、内田雅彦氏は、「これまでのバッチによるETL（Extract Transform Load：抽出／変換／ロード）処理から、リアルタイムでの基幹業務データの収集や変換、活用へとユーザーのニーズは変化している。部分最適化から全体最適化を実現するための基盤の必要性が検討されており、新しいInformatica製品群が有効になる」と話している。
