今回はテーマとしている「現場からの協働革新」からちょっと離れて、昔お世話になった「理想の上司」について書いてみたいと思います。
僕は、ちょうどバブル華やかなりし頃に大学を卒業し、システム関連の会社に就職しました。学生時代はバンド活動ばかりをやっていたこともあって成績はビリ。良くぞこんな自分を拾ってくださいました、という感じです。
その会社では、ガソリンスタンドで使えるクレジットカードシステムを担当することになりました。もっとも、ソフト開発の経験なんぞまったくない新人ですから、資料をコピーしたり簡単なバッチを流す程度の丁稚として、先輩から怒られつつ、門前の小僧的に少しずつ仕事を覚えていく毎日でした。
今回の主人公はそのときの課長です。仮にAさんとしておきましょう。このA課長、不思議なことに普段仕事をしている姿を見たことがない。工程や予算はその下の主任に任せっぱなし。プロジェクトの進め方にたまに一言言うくらいで、技術的なことを教えてくれるわけでもなく、昼間からおちゃらけてばっかり。夕方になると僕なんかのところに来て、「前川チャン、そろそろ飲みに行こうよ〜」なんて誘ってくる。