止まない情報漏洩事故--IPA、改めてファイル共有ソフトへの注意を呼びかけ

吉澤亨史

2007-12-04 19:56

 独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)は12月4日、2007年11月分のウイルス・不正アクセス届出状況を発表した。発表によると、11月のウイルス検出数は約60万個と、10月の50万個から18.5%の増加となっている。

 11月の届出件数は2351件となり、10月の2419件から同水準での推移となっている。検出数の1位は「W32/Netsky」で約51万個、2位は「W32/Looked」で約2万個、3位は「W32/Mytob」で約1.8万個であった。

 不正アクセスの届出・相談の受付状況では、11月の届出件数は15件であり、そのうち被害のあった件数は11件であった。不正アクセスに関連した相談件数は31件であり、そのうち何らかの被害のあった件数は17件。被害届出の内訳は、侵入6件、DoS攻撃1件、アドレス詐称1件、その他(被害あり)3件で、侵入届出の被害内容は、外部サイトを攻撃するための踏み台になっていたものが2件、フィッシングに悪用するためのコンテンツを設置されていたものが1件などであった。

 11月の相談総件数は911件であった。そのうち「ワンクリック不正請求」に関する相談が264件(10月は369件)、「セキュリティ対策ソフトの押し売り」行為に関する相談が14件(10月は16件)、Winnyに関連する相談が31件(10月は11件)などとなっている。

 IPAではまた、毎月「Winny 経由で会社の情報が漏れてしまったが、どうしたらいいですか?」とファイル共有ソフトを介した情報漏洩に関する相談が相当数寄せられており、これらのほとんどがWinnyを利用して感染を拡大する「W32/Antinny」というウイルスに感染することにより発生してる。

 企業の機密情報や個人情報などが漏洩する事故が相次いでいるなか、それでも一向にファイル共有ソフト利用者が減っていない。それは、ファイル共有ソフトや情報を漏洩させるウイルスが持つ危険性が正しく理解されていないためとしている。IPAでは、ユーザー自身の興味本位による行動がこのような被害を招いていることを認識して、自身の行動に注意するよう呼びかけている。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

自社にとって最大のセキュリティ脅威は何ですか

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]