fedora 8
先ほどのYellow Dog Linuxは、Fedora Coreをベースに開発されたものだが、本家Fedora Projectの開発する最新の「fedora 8」も、PPC版をPS3にインストールして動かすことができる。
ただ、Yellow Dog LinuxではインストールディスクのISOイメージに含まれていたPS3用のブートローダーがfedora 8のISOイメージには含まれていないため、別途用意する必要がある。
1.ブートローダーが含まれるCD-ROMを作る
PS3向けのブートローダーは、「PS3 Linux Distributor's Starter Kit」(通称、ADDON)と呼ばれるISOイメージに含まれて(一応、非公式に)配布されている。以下のいずれかのサイトから、最新版のISOイメージを入手しよう。
・ftp://ftp.uk.linux.org/pub/linux/Sony-PS3/
・http://kernel.org/pub/linux/kernel/people/geoff/cell/
・ftp://ftp.infradead.org/pub/Sony-PS3/
この原稿を書いている時点では、「CELL-Linux-CL_20071220-ADDON.iso」(2007年12月20日版)が最新だ。ISOイメージを入手後は、CD-ROMのライティングソフトを使って、イメージをCD-Rなどに書き込んでおく。
なお、1点注意がある。この1つ前のバージョンである2007年10月23日版のイメージ(CELL-Linux-CL_20071023-ADDON.iso)に含まれるブートローダーは、PS3システムソフトウェアの最新版である「バージョン2.10」(2007/12/18公開)がインストールされたマシン上では起動しないという問題が発生している。もし、うっかり10月23日版のブートローダーをPS3システムソフトウェアのバージョン2.10が入ったマシンに入れ、優先起動システムを「他のシステム」に設定してしまうと、PS3の電源を入れても、画面がブラックアウトしたままで、何も起こらない状態になる。もし、この状況になった場合は、冒頭に書いた「起動時に電源スイッチ5秒以上長押し」でPS3システムを起動した後、一度HDDをフォーマットして、最新のブートローダーをインストールし直そう。
2.インストールディスクの作成
fedora Projectのダウンロードページ(http://fedoraproject.org/get-fedora)から、「ppc」用のインストールディスクイメージ(Fedora-8-ppc-DVD.iso)をダウンロードし、DVDライティングソフトを使って、DVD-Rなどにイメージを書き込む。
なお、Yellow Dog Linuxの項で解説した手順2と同じやり方で、「PS3 HDDのフォーマット」も事前に行っておく。
3.ブートローダーのインストール
fedora 8をインストールするためのブートローダーは、手順1で作成した「PS3 Linux Distributor's Starter Kit」のCD-ROMから行う。CDをPS3に挿入した状態から、Yellow Dog Linuxの手順3と同じ方法を使うことで、ブートローダーをインストールできる。
ブートローダーのインストールが終わったら、CDを取り出し、fedora 8のインストールディスクを挿入して、優先起動システムを「その他のシステム」に変更。キーボードやマウスをUSBポートに接続し、再起動する。