マイクロソフトは、Windows XP SP2以降およびWindows Server 2003 SP1以降のユーザーに対し、ブラウザソフト「Internet Explorer 7」(IE7)の自動更新を2月13日より開始する。
2月13日はセキュリティパッチ配信日と重なるため、セキュリティパッチが優先されるが、ほぼ同じタイミングで同日午前2時以降に自動でIE7がダウンロードされることになる。なお、Windows Vistaでは標準ブラウザとしてすでにIE7が搭載されているため、自動更新の対象とはならない。
IE7は、英語版が2006年10月18日にリリースされ、その数週間後の11月1日には英語版の自動更新が始まった。日本語版のIE7がリリースされたのは2006年11月2日だが、自動更新を開始するまで1年以上の期間をおいた理由について、マイクロソフト Windows本部 プロダクトマネジメント部 シニアマネージャー 部長の中川哲氏は、「IE7の検証を完了していない企業が多かった。英語版では自動更新しても特に問題がなかったが、日本ではIE7未対応と表記しているサイトも見受けられ、PCを家電のように利用しているエンドユーザーに不信感を与えたくなかった」と説明する。
自動更新の阻害要因をなくすため、同社では積極的にIE7の検証を企業に呼びかけ、「現在では多くの主要なサイトにて対応が完了し、環境も整った」(中川氏)と判断した。同時にこの間、IE7そのものにも改良を加え、これまでIE7のデフォルト設定では表示されていなかった「ファイル」「編集」「お気に入り」などのメニューバーを表示するようにしたほか、インストール時間の短縮や、最新の更新プログラムを同時にインストールできるようにするなどした。
自動更新でIE7がダウンロードされると、通常のセキュリティパッチの更新では表示されないIE7のインストール確認画面が表示される。この段階で、IE7をインストールしなくない場合は「インストールしない」を選ぶことも可能だ。また、IE7をインストールしたものの、その後IE6に戻したい場合は、IE7をアンインストールすればそのままIE6が再度使えるようになる。
企業内アプリケーションのIE7への対応が完了していない企業で、複数の端末に対してIE7の自動配布を無効にする必要がある企業には、自動配布を無効化するツールキット「IE7 Blocker Toolkit」を提供する。このツールキットは、「Microsoftダウンロードセンター」内(リンク)にて入手可能だ。
マイクロソフトがIE7へのアップブレードを推奨するのは、「IE6より操作性が向上し、セキュリティの高いブラウザとなっているためだ」と、マイクロソフト Windows本部 プロダクトマネジメント部 プロダクトマネージャーの原田英典氏。IE7では、操作性を向上するためにタブブラウジング機能やRSSフィードに対応しており、ページサイズに合わせた印刷も可能だ。また、セキュリティ面では、IE6が登場した当初にはほとんど存在しなかったフィッシングへの対策機能も組み込まれている。
ただし、マイクロソフトではIE6のサポートも2009年までは続ける予定だ。サポート期間の終了後も、2014年まではセキュリティパッチへの対応は続けるとしている。
マイクロソフトは、IE7のダウンロードや関連サポートに関する電話サポート窓口を設けており、平日9時30分から12時および13時から19時まで0120-69-0196にて問い合わせに対応する。また、IE7に関するよくある問い合わせ等を掲載したサポートページも用意している。IE7の自動更新に関する告知は、2月4日よりhttp://www.microsoft.com/japan/ie7/にて公開予定だ。