Yahooは、Microsoftからの買収提案に対し、買収額を増額するよう求めているが、問題は、Yahooの大口投資家の多くはMicrosoftの株式も保有していることだ。
さらに、彼らのうち、Microsoft株をより多く保有する投資家が多数いることが、かなり高めの買収額を求めることで投資家の加勢を得ようとするYahooの取り組みを損なう可能性がある、とRiskMetrics Groupは米国時間2月15日のレポートで述べた。実質的に、こうした大口投資家たちに対し、自らの利益に反する方に賭けろと要求するようなものだからだ。
RiskMetricsのM&A調査担当責任者であるChris Young氏は、次のように語る。「これはYahooが受けているプレッシャーだ。Yahooの投資家が保有するMicrosoft株がYahoo株より少なければ、プレッシャーも違うだろう」
たとえば、Yahooへの最大の投資家、Capital Group傘下のCapital Research Global InvestorsとCapital World Investorsが2007年12月31日時点で運用していた株式は、Microsoft株が5億2360万株に対し、Yahoo株は1億5480万株だった。
T. Rowe Priceは、Yahooの大口株主ではトップ10にランクインしているが、やはり2007年12月31日時点で保有していた株式は、Microsoft株が1億3650万株に対し、Yahoo株は2280万株だった。
RiskMetricsによると、Yahooに投資している機関投資家の90%がMicrosoft株も保有しているという。また、Yahooに投資する機関投資家のトップ20社のうち15社が、Yahoo株よりMicrosoft株を多く保有している。
「ISS Governance Services」も運営するRiskMetricsは、年金基金、ヘッジファンド、投資信託会社など多様なクライアント1900社に委任状に関するアドバイザリーサービスを提供している。
プロクシーソリシター(委任状勧誘・回収業者)の説明によると、投資会社の中には、Fidelityのように、各ポートフォリオマネージャーが、会社全体としてのアプローチに従うのではなく、各自が担当するファンドの株に個別に委任投票することを認めているところもあるという。結果として、Fidelityのファンドには、合併に関してMicrosoftを支持する票により重きを置くものがある一方で、Yahooを支持する投票を行うものもある。