#3:最初にライセンス要件を確認しておこう!
ライセンスに関して言えば、ほとんどのソフトウェアベンダーは仮想マシンと物理的なコンピュータの間に違いはないと考えている。言い換えれば、OSまたはアプリケーションを別々の物理マシンにインストールするか、同一マシン上で稼働する仮想マシンにインストールするかにかかわらず、そのインスタンスごとにソフトウェアライセンスが必要となることに変わりはないということだ。
また、仮想化ソフトウェアによっては、ゲストOSであるかホストOSであるかにかからず、その使用許諾契約書中で何らかの制約が課されている可能性もある。例えば、Windows Vistaがリリースされた際、Home BasicエディションとHome Premiumエディションの使用許諾契約書には、これらのOSを仮想マシン上で稼働させてはならないという条項があったものの、Microsoftはその後、コンシューマーからの声に応えてこういったライセンス条項に手を加えている。
Windows Server 2008の使用許諾契約書では、仮想マシン上で稼働させることのできるイメージの数がエディションごとに規定されている。この数は、Webエディションではゼロ、Standardエディションでは1、Enterpriseエディションでは4に制限されており、DatacenterエディションとItaniumエディションでは無制限となっている。
#4:あなたのアプリケーションがサポートされていることを確認する
事前に確認しておくべきもう1つの問題は、アプリケーションベンダーが仮想マシン上でのソフトウェア実行をサポートしているかどうかということである。仮想マシンは一般的なハードウェアをエミュレートしており、実際のハードウェアへのアクセスを提供していないため、仮想マシン上で実行されるアプリケーションは、インストールされているビデオカードの能力を最大限に利用することができなかったり、ホストOSに接続されている周辺機器に接続できなかったりする場合があるのだ。
#5:仮想化はWindowsに留まらない
仮想化テクノロジは数多く存在しており、その中にはWindows以外のOS上で動作するものもある。また、Windowsが動作するホストマシン上で仮想マシンを稼働させ、WindowsではないゲストOSを稼働させることもできる。VMWareはLinux上で稼働させることができ、Microsoftは過去に、Mac版のVirtual PCを開発していた(しかし、IntelベースのMacには移植されなかった)。「Parallels Desktop」はMac OS X上でのWindows仮想マシンの稼働をサポートしている。「Parallels Workstation」は、WindowsとLinuxの多くのバージョンをホストOSとゲストOSの双方としてサポートしている。「Parallels Virtuozzo」は、LinuxとWindowsのいずれでも利用可能なサーバの仮想化オプションである。その他の仮想化ソリューションとしては以下のようなものがある。
- 「Xen」(現在はCitrixが保有している):これはLinuxにおいて最も一般的なハイパーバイザーソリューションの1つである。
- 「Q」:これはQEMUというオープンソースのエミュレーションソフトウェアをベースとしたものであり、Mac上でWindowsやLinuxを稼働させるものである。
- 「Open VZ」:これはLinux環境で仮想サーバを作成するためのソフトウェアである。