MozillaがFirefoxにパッチ、複数の脆弱性を修正

文:Larry Dignan(ZDNet.com) 翻訳校正:石橋啓一郎

2008-03-27 19:29

 MozillaがFirefox 2.0の10件の脆弱性にパッチを当て、2.0.0.13にアップデートした。米国時間3月26日早朝のアップデートでは、次に挙げるFirefoxの脆弱性が修正された。

  • MFSA 2008-19 XUL ポップアップ偽装の応用例 (タブを超えたポップアップ)
  • MFSA 2008-18 LiveConnect を通じた、任意のローカルポートへの Java ソケット接続
  • MFSA 2008-17 SSL クライアント認証に関するプライバシー問題
  • MFSA 2008-16 不正な URL を用いた HTTP Referrer の偽装
  • MFSA 2008-15 メモリ破壊の形跡があるクラッシュ (rv:1.8.1.13)
  • MFSA 2008-14 JavaScript の特権昇格と任意のコード実行

 これら6件のアドバイザリのうち、2つが最高、2つが高の重要度に区分けされている。これらの脆弱性は、ThunderbirdとSeaMonkeyにも影響がある。Secuniaは今回のアップデートに対し10のCVE番号を振り、次のようにまとめている。

 Mozilla Firefoxにはいくつかの脆弱性と弱点が報告されており、これらを悪用することで、悪意を持った人が一定のセキュリティ上の制約をバイパスしたり、秘密の可能性のある情報を開示したり、クロスサイトスクリプティングを仕掛けたり、フィッシングの攻撃を仕掛けたり、ユーザーのシステムを侵害したりすることが可能だった。

 今回のFirefoxのアップデートに含まれるCVEは、CVE-2007-4879、CVE-2008-1195、CVE-2008-1233、CVE-2008-1234、CVE-2008-1235、CVE-2008-1236、CVE-2008-1237、CVE-2008-1238、CVE-2008-1240、CVE-2008-1241 の10件だ。

 メモリ破壊によるクラッシュ(MFSA 2008-15)は、Mozillaによって最高の重要度に分類されている。Mozillaのアドバイザリには、次のように書かれている。

 Firefox やその他の Mozilla をベースとした製品で利用されている、ブラウザエンジンに含まれていた安定性に関するいくつかのバグを、Mozilla 開発者が特定、修正しました。これらバグの一部はメモリ破壊の形跡が見られるクラッシュで、条件が整えば任意のコード実行に利用可能と思われるものでした。

 もう1つの最高の重要度の脆弱性は、JavaScript の特権昇格と任意のコード実行に関するものだ。Mozillaはアドバイザリの中で次のように述べている。

 ページコンテンツからより高い特権でスクリプトの実行を許してしまう一連の脆弱性が、Mozilla 貢献者の moz_bug_r_a4 氏、Boris Zbarsky 氏、Johnny Stenback 氏によって報告されました。MFSA 2007-25 と MFSA 2007-35 (XPCNativeWrapper 汚染を通じた任意のコード実行) の別の応用例が moz_bug_r_a4 氏によって実証されました。ブラウザが、汎用的な XSS や任意のコード実行につながる、誤った特権で JavaScript コードを実行させられるということが、Boris Zbarsky 氏、Johnny Stenback 氏、moz_bug_r_a4 氏によって個別に報告されたさらなる脆弱性によって示されました。

 また、重要度が高のセキュリティホールの中で、もっとも興味深いものは、LiveConnect を通じたJava ソケット接続に関するものだった。この問題について、Mozillaはアドバイザリの中で次のように述べている。

 jar: プロトコルを通じて取得された Web コンテンツが、LiveConnect 経由で Java を用いて、ユーザのマシン (ローカルホスト) 上の任意のポートに対してソケット接続を開けることが、セキュリティ研究者の Gregory Fleischer 氏によって実証されました。この問題は、ブラウザから Java プラグインに渡されるコンテンツ生成元が不適切にパースされるによって引き起こされるものでした。そのようなコンテンツは、null 値のホストを持つかのように誤って評価され、ローカルファイルであるかのように誤認識され、以後ローカルホストへの接続許可を得てしまっていました。この問題が修正された Java Runtime Environment (JRE) が Sun から公開されました。Mozilla 側でも、最新の JRE をインストールしていないユーザを保護するため、LiveConnect 機能に修正を加えました。

 これらのパッチは、自動アップデートを通じてMozillaユーザーに配信されている。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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