RSAはDLP分野で、RSA DLP Datacenter、RSA DLP Network、RSA DLP Endpointといった製品を擁する。
国内外で関連製品のアナウンスが続いたことから、DLP分野は現在、非常に注目を集めているが、RSA製品と競合製品を区別する要素はどこにあるのだろうか。Corn氏はそれを3つのポイントから説明してみせる。

まず1つ目のポイントが「データの発見と分類」だ。この点において、「Tablusの技術は他社より著しく優れている」とCorn氏は言う。買収時にもその技術力の高さを評価しており、予定通り「Tablusの技術をEMC Infoscapeに統合した」(Corn氏)という。
2つ目のポイントは「ポリシー」だ。RSAのDLP製品にはポリシーを一元管理するための管理コンソールが用意されている。しかし、より重要なのはRSAがポリシー専任チームを設置していることだ。このチームが世界中のベストプラクティスを調査してテンプレート化しているという。「これを製品に組み込んでいるため、製品を購入するだけで様々なベストプラクティスを適用できる」のだという。
最後のポイントは、データの発見・分類後の執行だ。「EMCの傘下に入ることで、(DLP技術を)ストレージやファイル共有、コンテンツ管理に組み込むことができるようになった」と、そのメリットを強調する。続けて、「Ciscoと共同で(DLP技術を)ネットワークにも組み込むことができるようになった」と語る。
RSAは4月7日(米国時間)、データセキュリティ分野におけるCiscoとの提携拡大を発表した。この提携にはDLP分野での取り組みも含まれており、まずはCiscoのエンドポイントセキュリティ製品「Cisco Security Agent」にRSAのDLP技術を組み込んでいくという。
「我々はこうしたパーナトーシップを結ぶことで、DLPをITインフラに実装していくことができるのだ。これは極めて大きな差別化要因といえる」(Corn氏)
特にRSAのような企業は、パートナーとの協業が重要になるだろう。Corn氏は「現時点ではRSAがデータセキュリティ分野で提携に関わる大きなアナウンスをする予定はない」と語るが、「今後12カ月の間で技術も進化するだろう」との見通しを示した上で、巨大企業との提携や企業買収について否定しなかった。
企業買収を行う”可能性”は「もちろんある」という。Corn氏は、RSAが製品戦略において取るアプローチは典型的なそれとは少し異なると語る。その手法とは、「意図的に製品を脇に置いて、一歩下がってプロセスそのものを設計するようなアプローチ」だ。「市場のランドスケープにプロセスをうまく対応させるようにする」のだという。