北野天満宮の国宝絵巻、日本HPが複製を制作

CNET Japan Staff

2008-05-03 20:30

 日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は、北野天満宮が所蔵する国宝「北野天神縁起絵巻(承久本)」の複製を制作した。複製の製作には約半年を要し、2月25日に北野天満宮に奉納した。5月2日から31日までの期間、天満宮にて複製を一般公開する。

 絵巻は、学問、芸術の神様として知られる天神(菅原道真公)の一生などを描いた全9巻で、大きさは、縦52cm、各巻の長さは最短842cm、最長1211cmで、総延長は100mにもなる。複製にあたって使用したプリンタは、大判グラフィック用プリンタの「HP Designjet Z3100ps GP Photo」。

 絵巻の複製は、芸術文化財保護の目的と、一般の目に触れる機会の少ない国宝を複製することで多くの人が天神信仰を理解する機会をもてるようにという主旨で、HPが北野天満宮に申し入れた。HPではこれまでにも、2007年に開催された「生誕100年記念 ダリ展-創造する多面体」で、ダリの作品「ヴィーナスの夢」のオリジナルが展示できなかった期間のために複製を作成するなど、芸術作品の高精細複製を行うデジタルファインアート普及に向けた取り組みを強化している。

 今回複製した絵巻はオリジナルが非公開となっているため、北野天満宮側でも複製を製作すべきかどうか慎重に議論があったというが、「オリジナルの記録を取ることで絵巻を広くアピールできると考え、実施に踏み切った」としている。

北野天満宮 公開された「北野天神縁起絵巻」の複製の一部

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