NECは5月26日、従来のサーバと比較して大幅な省電力、省スペースを実現した新サーバ「ECO CENTER(エコセンター)」の販売活動を開始した。
CPU、チップセット、メモリなどに省電力部品を採用したほか、従来の電源と比較して省電力が可能な高効率電源、冷却実装の最適化など、ハードウェア面での省電力技術を駆使したことに加え、仮想化ソフトウェアと管理ソフトウェアとを組み合わせて利用することにより、稼働状況などの最適化を行って、さらなる省電力稼働を図ることが可能だ。発表によれば同社の従来機種と比較し、最大で55%の省電力、50%の省スペース、58%の軽量化を実現しているという。
ECO CENTERのキャビネットおよびアルミ製のサーバモジュールは、新たに設計されたもの。1つのサーバモジュールあたり、2台のサーバボードをセットでき、高さ2メートルのキャビネットには32基までのサーバモジュール(64サーバ)を搭載できる。サーバボードには、インテル クアッドコアXeonプロセッサー低電圧版L5420が搭載されており、最大512のCPUコアを1つのキャビネット内に実装できることになる。
仮想化ソフトウェア「VMware ESX 3.5」とNECの管理ソフトウェア「SigmaSystemCenter」との組合せによる省電力化も、ECO SERVERの特色のひとつだ。システム全体に負荷の不均衡が発生した場合に、SigmaSystemCenterがそれを検出し、仮想マシンの配置を最適化する。これにより、負荷が平準化し、熱だまりの発生を抑えるという。また、全体的な負荷が低い場合には、適正な負荷レベルになるよう仮想マシンを集約し、余ったサーバの電源を切るといった運用も可能となっている。仮想化ソフトについては、今後、「Citrix XenServer EnterpriseEdition」およびマイクロソフト「Hyper-V」のサポートも計画されている。
ECO SERVERの参考価格は、最大構成時(512コア/64サーバ、8Gバイトメモリ、16GバイトHDD)で3990万円より。国内データセンターの6kW構成時(192コア/24サーバ、4Gバイトメモリ、160GバイトHDD)で1350万円より。出荷開始は2008年6月末を予定している。
ECO SERVERは、NECが2007年11月に発表した省電力ITプラットフォームへの取り組み「REAL IT COOL PROJECT」に基づいて製品化されたもの。企業や官公庁における大規模業務サーバやウェブサーバシステムの構築に適した製品と位置づけられており、NECにおいてもアウトソーシングサービスの新プラットフォームサービスである「RIACUBE(リアキューブ)」での採用を予定しているという。