電機大手11社の2007年度決算を読む--東芝・NEC - (page 2)

大河原克行

2008-05-28 08:00

課題事業の黒字化を達成したNEC

 NECは売上高が前年比0.8%減の4兆6172億円、営業利益は124.0%増の1568億円、経常利益は586.6%増の1122億円、当期純利益は148.5%増の227億円となった。同社 執行役員常務の小野隆男氏は、「営業利益は目標を大きく上回る実績。課題事業としていたモバイルターミナルや半導体事業の黒字化も大きな成果」と述べた。

 減収についても「欧州の個人向けPC事業の売却、DVDの販売事業の売却などが影響したもの」と説明。「これらを除けば前年比2%の増加になる」と実質上の成長であることを訴えた。

 IT/NWソリューション事業は、売上高が前年比3.9%増の2兆8662億円、営業利益は0.5%増の1606億円。なかでも、ITサービス/SI分野の売上高が前年比7.3%増の8325億円、営業利益が約610億円となったほか、ネットワークシステム分野の売上高が5.8%増の1兆860億円、営業利益が前年並みの約780億円となり、NGN関連事業が成長している。

 PCおよび携帯電話のモバイル/パーソナルソリューション事業は、売上高が前年比9.5%減の8729億円、営業利益は232億円と黒字転換した。減収については、欧州における個人向けPC事業を売却した影響として約700億円がそのまま直結したという。なお、PCがほとんどを占めるパーソナルソリューションの営業利益は約120億円の黒字となった。

 課題事業となっていた携帯電話事業をはじめとするモバイルターミナル分野は、携帯電話端末の出荷台数が前年比14%減の480万台となり、売上高が前年比2.7%減の3403億円と減収になったが、構造改革効果があり営業利益は前年度の赤字から110億円に黒字転換した。

 2008年度は売上高が前年比4.0%増の4兆8000億円、営業利益は8.4%増の1700億円、経常利益は20.3%増の1350億円、当期純利益は54.3%増の350億円と増収増益を目指す考えだ。

 とくに成長のドライバーと位置づけるNGN構築関連事業では、2007年度の売上高2000億円の実績をさらに引き上げ、2008年度には3000億円の売り上げ規模を目指すという。

 同社 執行役員常務の小野隆男氏は「NGNによる新事業および新市場の創造、グローバル展開の加速、戦略的投資の拡大などに取り組む」と述べている。

 IT/NWソリューションは、売上高が前年比2%増の2兆9300億円、営業利益は6%増の1700億円。モバイル/パーソナルソリューション事業は、売上高が前年比13%増の9900億円、営業利益は前年並みの240億円を目指す。

 携帯電話事業では、今年度からソフトバンクモバイル向けに端末を提供することが明らかになっており、売上高は前年比28%増の4350億円、出荷台数も前年比46%増の700万台と大幅な成長を見込む。だが、営業利益は140億円と40億円の増加に留めている。

NEC 執行役員常務の小野隆男氏 NEC 執行役員常務の小野隆男氏

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