オンライン顧客コミュニティのための12のベストプラクティス - (page 5)

文:Dion Hinchcliffe 翻訳校正:石橋啓一郎

2008-08-08 17:51

10.多くのコミュニティは非常に社会的な存在であり、社会的なルールが適用される。コミュニティには一定の一般的なルールが適用されるようで、それらのルールには似た考えを持つ個人が下位グループに自己組織化するのを許すこと、対話を規模の問題から守ること、いいことをしたメンバーには報いること、などがある。自然な社会的傾向に反する人工的なルールを押しつけることは、不調和を引き起こし、自然なコミュニティが形成されるのを妨げる可能性が高い。ここでは基本的なソーシャルメディアのルールが適用される。

11.コミュニティに近寄ってもらうのではなく、コミュニティの方へ近づくことは、リスクもあるがより発展性のある戦略だ。私は、ソーシャルネットワーキングやコミュニティに疲れたという話や、ユーザーが顧客同士のやりとりに既存のソーシャルサイトを利用することを好む可能性が高いことなどについての議論を見たことがあるし、自分でその議論に参加したこともある。この問題にはまだ結論は出ていないが、OpenSocialなどの動きによって、顧客が何百ものオープンソーシャルネットワークを1度に渡り歩くことが現実的になってくる可能性が高い。この行動にはリスクもあるが、それをすることが簡単になれば、リスクを犯すだけの価値も出てくる。これは、そのようなコミュニティのチャネルでは、コントロールやガバナンス、データの所有権の面での問題が生じないという意味ではない。しかし注意深く使えば、「ユーザーの方へ近づく」という戦略はメンバーシップと参加を促すために重要な方法になるかもしれない。

12.コミュニティを企業の他のCRM関係の側面と結びつける。顧客コミュニティは、顧客サービス、イノベーションの創出、流行の検知、マーケティング、リードジェネレーション、その他の活動などに活用されてきている。将来は、多くの顧客コミュニティが、対象となる企業の全体と関わり、企業は幅広い活動で顧客と密接に関係するようになるだろう。そのような企業は、効率、イノベーション、生産性向上などの点で大きな飛躍が期待できる一方、あらゆる種類のクラウドソーシングに関わるリスクは生じてくると思われる。

 最近私は、ほとんどすべての顧客に関わるオンライン活動において、コミュニティへの関心が高まっていることを見て取っている。そして、コミュニティが元々持っている性質から、そのコミュニティがすでに繁栄しているか、企業の活動にどの程度組み込まれているか、顧客に十分な動機を与えているかなどによって、成功の水準はさまざまに異なってくるだろう。私が1つ目の項目を第一に挙げたのは、成功しているコミュニティに必ず共通している態度は、コミュニティへの投資から「われわれが何を得られるか」という考え方を改めたということだからだ。この態度はROIの議論においては正しいものの、結論としては、顧客のニーズを第一に考えた方が価値が高まるのも早くなるのだ。成功しているコミュニティに、投資しただけの価値があったかと聞いてみるといい。私が受け取る答えは、常に熱心な肯定だ。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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