オンラインコミュニティを作るための人気のプラットフォーム、トップ10 - (page 3)

文:Dion Hinchcliffe(Special to ZDNet.com) 翻訳校正:村上雅章・野崎裕子

2008-09-16 08:00

Zikula Logo4.Zikula(旧名PostNuke)はPHP-Nuke 5.0から派生したものである。本リストの4位に入ったZikulaは歴史が長く、定評のある製品の1つである。そしてこれもまた、PHPを用いて開発されたオープンソース製品である。

Sharepoint Logo5.MicrosoftのSharepointは、このリストに登場する初の商用製品であり、最も成熟した人気ある製品の1つでもある。Sharepointはコミュニティ機能のほとんどない共同作業環境の整備にも利用できるものの、最近ではコミュニティスタイルの開発に重きが置かれて使用されているケースを多く見かける。また、「ベストプラクティスやテンプレート、Web Parts、ツール、ソースコード」を追加するCommunity Kit for Sharepoint(CKS)が登場したことで、同製品はこの世界で競争していけるだけの十分な能力を持つようになった。Sharepointはさまざまな企業で採用されており、既に保有している企業の多さを考えると、多くの企業で真っ先に検討される製品の1つである。ただ、上述した「テクノロジありき」という姿勢に対する戒めは守るべきだろう。

Lithium Logo6.Lithiumはこのリストに初めて登場するSaaS型のコミュニティプラットフォームであり、革新的かつ急成長している顧客コミュニティ向けのソリューションとなっており、私の調査でも幅広く支持されているものである。Lithiumのメリットの1つとして、コミュニティの開発者やマネージャーに対して提供される徹底したサポートを挙げることができる。またデメリットの1つとして、オープンソースエコシステムが存在していないため、Lithium用のアドオンやプラグインが標準的なウェブウィジェットに限定されてしまうという点を挙げることができる。

DotNetNuke Logo7.DotNetNukeはこのリストにおいて(Sharepointに次ぐ)2つ目の.NETプラットフォームであり、初めて登場するオープンソースの.NETコミュニティプラットフォームでもある。そして、この製品の持つ能力は2007年に著しく成熟した。DotNetNukeはVB.NETを用いて開発されており、MicrosoftのMarketplaceサービスを通じて豊富なサードパーティモジュールが提供されている。なお、Marketplaceサービスによって有料モジュールを開発して販売することが可能になった結果、高品質のモジュールが提供されるようになっている。

Community Server Logo8.Community Serverは、.NETのブログプラットフォームが本格的なコミュニティ製品へと進化したものである。Community Serverは今ではエンタープライズ市場を真っ向からターゲットとしており、非常に規模の大きな環境で利用されるようになってきている。例を挙げると、現在7000万人以上のユーザーを抱えているMySpaceの顧客フォーラムでもこの製品が利用されている。

KickApps Logo9.KickAppsは割と最近に登場した製品であり、ABCやBBCといった大手のウェブサイトも含め、比較的短期間で普及している有望株である。KickAppsは、ウィジェット化を重点的に推し進めることで、既存のウェブサイトとの柔軟な統合に最大限に注力した、LithiumのようなSaaS型のソリューションである。

Jive Software Logo10.Jive Softwareが提供しているClearSpace Communityは、特に大企業の間で最近注目を集めている。Fortune 500企業の15%以上がこの製品を利用しており、このリストで上位に位置しているオープンソース製品の方が普及しているとはいうものの、Jive Softwareはオープンソース製品が苦手としがちな分野、特に大企業におけるセキュリティや統合化、カスタマイズ能力の分野に一貫して重点を置いている。

 テクノロジとプラットフォームが形成されていく過程は、オープンソースソフトウェアと商用ソフトウェアという点のみならず、ソフトウェアパッケージ vs. SaaSという点から見ても興味深いところである。ほとんどすべての要件に対して切り口の異なる選択肢が存在しているということは健全な状況だと言える。とは言うものの、オープンソースにおける拡張可能という性質と、プラグインやアドオンを開発している貢献者の多さを考えると、そちらの選択肢の方が豊富になる傾向はある。

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