日本Androidの会の構想:クラウドとオープンソースが創造する新たな市場

大川淳

2008-09-16 19:50

 日本Androidの会が9月12日に発足して活動を開始した。同会は、携帯電話向けOS「Android」を国内で普及、発展させ、新たなビジネスが創造されることを目指している。

 同日に開催された発足式典では「日本Androidの会」会長に就任した早稲田大学大学院 客員教授の丸山不二夫氏が、Androidがオープンソースであるとともに、Googleが推進しているクラウドコンピューティングによるサービスの媒介となる端末と位置づけられる点が重要であると強調。Androidが組み込みソフトの標準となる可能性を指摘し、携帯電話の領域を超えた経済効果があるとの見解を示した。

AndroidがiPhoneに勝る理由

「日本Androidの会」会長の丸山不二夫氏 「日本Androidの会」会長の丸山不二夫氏

 基調講演の冒頭で丸山氏は「携帯電話の世界で大変動が起きている」と述べた。

 AppleやGoogleの参入だけではない。端末の世界市場でシェアの4割を占めるNokiaがSymbianを買収し、即日、OSをオープンソースとする考えを明らかにするなど、この分野にオープン化の動きが始まっているのだ。「自分たちの手で携帯電話をつくれるかもしれない。おもしろい状況になっている。これまでにこういうことはなかった」(丸山氏)。

 クラウドコンピューティングは、いわば雲の上にさまざまな情報やコンテンツがあり、それをエンドユーザーが取り出して利用するというしくみだ。「最近ではMicrosoftもクラウドによるサービスの充実化に努めている。Googleの場合、検索やメール、ドキュメント作成や表計算など多くのアプリケーションに加え、カレンダー、地図などのサービスを用意している」(丸山氏)。

 iPhoneを擁するAppleは、「iTunes StoreとApp Storeしかない。クラウドでいえば、Googleのサービスは巨大であり、両者の差は開いている。iPhoneと、Androidによって実現する端末を比べると、機能やネットワーク環境はそれほど差がない。しかし、オープン性とクラウドとの関係という点で、立ち位置が異なる」(同)。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    セキュリティ担当者に贈る、従業員のリテラシーが測れる「情報セキュリティ理解度チェックテスト」

  2. セキュリティ

    従業員のセキュリティ教育の成功に役立つ「従業員教育ToDoリスト」10ステップ

  3. セキュリティ

    IoTデバイスや重要インフラを標的としたサイバー攻撃が増加、2023年下半期グローバル脅威レポート

  4. セキュリティ

    サイバー攻撃の“大規模感染”、調査でみえた2024年の脅威動向と課題解決策

  5. セキュリティ

    クラウドネイティブ開発の要”API”--調査に見る「懸念されるリスク」と「セキュリティ対応策」

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]