Linuxには、企業におけるデスクトップPCのニーズを満足するだけのものが揃っているのだろうか?私は揃っていると考えている。そこで以下に、文書作成からプロジェクト管理、データのバックアップに至るまで、さまざまなニーズに見合うオフィス向けのアプリケーションを10個紹介する。
オフィス向けの優れたアプリケーションが揃っていなければ、職場において無駄な時間を過ごすことになるはずだ。生産性を向上させるには、適切なツールが必要なのである。そして、Linuxには1日の仕事を滞り無くこなすために必要なツールがすべて揃っているのだ(異を唱える人もいるかもしれないが)。以下に、人事部門からマーケティング部門、経営部門に至るまで、企業で働くさまざまな人々を満足させられるようなアプリケーションを紹介する。
#1:OpenOffice
言うまでもなく、OpenOfficeは文書作成や表計算、プレゼンテーション、データベース管理、イメージ描画、ウェブページの編集という機能を備えている。そのうえ、Microsoft Officeのファイルを読み書きする機能や、PDFあるいはFlashといったファイル形式へのエクスポート(他のファイル形式もサポートされている)機能も備えているため、職場のあらゆるニーズを満足することのできる完全なオフィススイートとなっているはずだ。OpenOfficeのユーザーインタフェースの学習には壁と言えるものがほとんどないため、ユーザーはMicrosoft OfficeとOpenOfficeの違いをほとんど意識しなくてもよいはずである。また、OpenOfficeはLinuxやSolaris、Windows、Mac OS X(IntelとPowerPCの双方)用のバイナリが用意されたクロスプラットフォーム向けのソフトウェアでもある。
#2:Evolution
EvolutionはWindowsのOutlookに相当するLinuxアプリケーションである。Evolutionも統合型アプリケーションであるが、個人情報管理(PIM)を目的としており、電子メールやカレンダー、連絡先、タスク管理、高度な検索、デスクトップの統合、vCardの共有、ジャンクメールのフィルタリング、暗号化、LDAPサポート、iCalサポートなど数多くの機能を備えている。また、Exchangeサーバを使用している会社であれば、Evolution Connectorを用いることでサーバ上のデータにアクセスすることができる。EvolutionはGNOMEデスクトップではデフォルトの電子メールクライアントとなっていることも多いものの、KDE(あるいはその他のウィンドウマネージャ)上でEvolutionの能力が発揮できないというわけではない。