マイクロソフトは10月14日、サーバ仮想化製品「Windows Server 2008 Hyper-V」と、仮想化環境管理ソリューション「Microsoft System Center Virtual Machine Manager 2008」を発表すると共に、同社の仮想化戦略を「Microsoft 360 Virtualization」として展開するとした。

Microsoft 360 Virtualizationでは、今回発表したHyper-Vによるサーバの仮想化はもちろん、デスクトップの仮想化やアプリケーションの仮想化なども含めた包括的な仮想化ソリューションを提供する。これにより、「現在3%程度にとどまっている日本での仮想化の普及率を、ワールドワイドの普及率である10%にまで高める。そして1年後には25%まで普及率を高め、日本の市場シェアの半数を確保したい」と、マイクロソフト 執行役常務 ビジネス&マーケティング担当 佐分利ユージン氏は話す。
仮想化の普及率を高めるためにマイクロソフトでは、仮想化の認知度を高め、導入準備や採用、展開に向けた施策を実施する。
まず認知度向上のため、マイクロソフトは仮想化をテーマとした広告を展開すると共に、11月以降全国13カ所にて仮想化セミナーを開催、さらには同社の各支店にてHyper-V実践トレーニングを行う。
仮想化の採用段階での施策としては、「マイクロソフト認定テクノロジスペシャリスト」(MCTS)および「マイクロソフト認定アソシエイト」(MCA)において仮想化認定プログラムを提供し、パートナー企業にて仮想化ソリューションに対応できるエンジニアを充実させる。また、Hyper-Vのセールスエンジニア向けに、マイクロソフトの認定資格として「Microsoft Hyper-V導入アドバイザー」を追加する。
技術者育成に向けた施策も強化する。無償のトレーニングとして、マイクロソフトの開発者向けポータルサイト「MSDN」でサーバ仮想化関連のウェブキャストを展開するほか、サーバ仮想化はもちろんプレゼンテーション仮想化やアプリケーション仮想化までを含めたパートナー向けの無償トレーニングも開催する。
また、仮想化展開時の支援サービスとして、マイクロソフトコンサルティングサービスにおいて「サーバー仮想化導入サービス」を11月4日より開始する。
同日は、日本IBMのx86サーバと導入・設定ガイドをセットにした「Hyper-V on System x 今すぐ仮想化構成」をはじめ、パートナー各社からHyper-VやVirtual Machine Manager 2008に対応した製品やソリューションが発表された。Hyper-Vに対応するハードウェアとしては、9社のハードウェアパートナーが180機種以上用意しており、Hyper-Vに対応するSIサービスを提供する企業は19社にのぼっている。