ソーシャルテクノロジがもたらす未来
Forresterでは、ソーシャルテクノロジによって未来の企業がいかに変化するのかを調査するため、業界で影響力のある企業38社とラウンドテーブルを実施した。Owyang氏によると、そこで導かれた結論は「コミュニティをはじめとするソーシャルテクノロジは、ビジネスのすべての分野に密接にかかわってくる」ということだ。ソーシャルテクノロジを利用すれば、社員がオフィスに出勤する必然性も薄れていき、「結果的にワークスタイルの変革にまでつながる」とOwyang氏は言う。
こうした未来が予測される中、「企業は今後、コーポレートサイトのみならず、コミュニティに力を入れるようになるだろう」とOwyang氏。さらにこの世界が進化すれば、「異なるコミュニティ同士がすべてひとつのネットワークとしてつながることになる」(Owyang氏)というのだ。ただし、このような世界が実現するためには、各コミュニティが持つデータを、コミュニティの枠を越えて共有することになる。そうなるまでには「まだかなりの時間がかかる」というのがOwyang氏の考えだ。
ただし、現時点ですでにソーシャルテクノロジは企業の戦略そのものに影響を与えはじめている。「ソーシャルテクノロジは、マーケティングツールだけでなく、サポートツールにもなる。また、顧客との関係を築くためにも利用できるのだ」とOwyang氏は述べ、この技術の可能性が無限大であるとした。
※ Forrester ResearchのアナリストJosh Bernoff氏とCharlene Li氏の共著による「groundswell」の日本語翻訳版となる「グランズウェル ソーシャルテクノロジーによる企業戦略」が、11月18日に翔泳社より出版された。本書では、ここで紹介した事例やPOSTについて、より詳細に書かれている。