借り手側については、金融機関が貸出姿勢を硬直化させるなか、中小事業者を中心に運転資金に困窮する事態が生じるだろう。一方、一般投資家にしてみれば、消費に消極的になってもそれで余剰となった資金を何に投資しておけば良いのか判らない状況である。
こんなときに頼れるのは、最も判りやすい商品。1つは、ING Directが原点に立ち返れとばかりに薦める定期預金。そして、それに対抗し得るのは、投資先が明確なP2Pレンディングではなかろうか。こうしたタイミングでProsperが新規貸出を実行できなくなったのは実に残念である。
今後の展開
しかし、証券取引委員会がソーシャル・レンディング・サイトへの監視を強化している事実は、その存在感が徐々に放置できなくなっていることの裏返しとも言える。未だ、大手の金融機関にとっては取るに足らないサイズであろうが、社会において銀行の、あるいは運用会社の補完的な役割を果たし始めていると言えるかもしれない。
これまでもソーシャル・レンディングのビジネスは規制との対立を続けながらも、それを乗り越えてきたわけだが、こうした規制の下でどこまで成長できるかでその真価が問われるだろう。