11月にMcColoが遮断されたが、スパムの量が再び急増するのは時間の問題だった。サイバー犯罪に協力的なISPがインターネットから遮断されてから2週間後、主要なボットネットが指揮統制の地点を新たな場所に移し、力を取り戻しつつあることによって、再びスパムの量は増えてきた。まもなく訪れるクリスマスシーズンを収益化しようとして、スパム業者が世界のスパムメールの大きな比率に関与しているボットネットの統制を取り戻すのに2週間かかった。以下のグラフはSpamCop.netが提供しているもので、彼らの活動の動機をよく表現している。第45週と46週がMcColoの活動停止を表しており、第47週と48週の状況がスパム業者の継続計画が進んでいることを示している。
ここで、2008年に行われた2つの大きなサイバー犯罪に協力的なISPの掃討作戦を簡単に振り返り、スパム業者が行った継続計画の戦略について議論してみよう。
セキュリティコミュニティが数ヶ月間に渡って継続的にレポートしていた問題を受けて、9月末にカリフォルニアに拠点を置くISP、AtrivoとIntercageが上流プロバイダによってインターネットから遮断されたが、これによってスパムの量が減ったのはわずかな間だった。掃討作戦は続き、11月の半ばには、何年も運用を続けてきた、サイバー犯罪に協力的な悪名高いISPであるMcColoがインターネットから遮断された。これは、ここ数年間で初めてのスパムの大きな減少を引き起こした。
ボットネットの支配者が感染したホストに命令を出せなくなったため、何十万ものボットがもはやオンラインではない場所から悪意のある命令をを受け取ろうとして失敗している。最初は、セキュリティコミュニティが油断したスパム業者を取り押さえたように見えたが、大局的に見ると、2008年中を通じて上流プロバイダを切り替え続けていたAtrivoやIntercageと同じ考え方が適用されていることは明白となっている。MoColoがオンラインに戻った数時間の間に、ボットネットの支配者はMcColoの存在と全体としてのボットネットの運用を切り離す新たな命令を送り出した。McColoに主な指揮統制サーバーを置いていた一部のボットネットの所有者は、間もなくボットネットの支配を取り戻し始め、SrizbiはエストニアのISPに移行しようとしており、RustockはLayeredTechに移ろうとしている。
MarshalのTRACEチームによる最新の統計によれば、以前McColoで運用されていたすべてのボットネットの中で、運用が回復したボットネットはMega-Dだけだが、Mega-Dは以前よりも積極的なスパム活動を行っており、スパム活動の44.9%を占めるまでになっている。スパム業者とその顧客基盤が報いを受けない限り、掃討作戦は単なるいたちごっこになってしまうだろう。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ