「もったいないですよね。自分がやったことと罰則が割に合わないんですよ。軽く考えて手を出すのだと思いますが、ほんの一瞬の判断で手を出した結果が犯罪者です。その後の人生を狂わせる。私は仕事として目の前の犯罪を取り締まるだけですが……」
私は思います。犯罪者と比べるわけではありませんが、人生を楽しまないのは大変もったいないことだと。先々のことを憂いて落ち込むのも時間の無駄ですよね。以前、「不安」の項でもお話ししましたが、不可抗力は乗り越えるしかありません。憂いても仕方がないのです。
自分がやりたいことがわからないという方も数多くいます。そういう方は、粛々と働いて無駄遣いせずに貯金を勧めます。なぜならば、好きなことが見つかった時に必ずお金が必要になるからです。ミュージシャンになりたくなったら楽器が必要ですし、いまやコンピュータも必要です。ハワイに住みたくなったら旅費も住む場所も必要で、ビザも取得しなくてはなりません。作家になりたかったら取材経費も必要です。事業を興したいのであれば資本金が必要です。
やりたいことをやるためにお金が必要なのは間違いありません。であれば、やりたいことがわからなければお金を貯める。お金がすべての人生は虚しいものですが、かといってお金がなければチャレンジできないのも現実です。
生きる意味がわからないという方も、弊社マイ・カウンセラーに相談にみえます。私はカウンセラーではありませんので、直接お応えすることはありません。しかし、そういう相談を読んで感じるのです。自分が生きる意味は必ずあると。
他人から認められないから生きる意味がないわけではない。認められるとか、人との関わりだとかは関係がありません。10カ月間もの間おなかに生命を宿し、陣痛に耐えてあなたを産んだ母親がいるという事実は変わりないわけです。であれば、それだけで十分生きる意味がある。となると、生きているのであれば楽しく生きる。これに尽きます。
結局は、思いと信念でしょうか。論理的だ、理知的だと言ってもしょせん人間ですから、自分にも他人にも甘くすべきは甘くして、ストイックにやるべきはやる。多少なりともコントロールしつつ、ぜひとも前向きに歩んでください。私もみなさんと同じように前に前にと進んでいきたいと思っています。
半年の短い期間でしたが、このコラムが、少しでも人生を楽しく生き抜くためのヒントとして役立っていればうれしく思います。ご通読、誠にありがとうございました。

筆者紹介
田代真人
マイ・カウンセラー 代表取締役。九州大学工学部機械工学科卒業後、朝日新聞社を経て学習研究社へ。ファッション女性誌「ル・クール」編集者の後、主婦向け実用雑誌 「おはよう奥さん」の創刊メンバーとして、主婦の悩みを解決する「悩み相談センター」を開設する。その後ダイヤモンド社へ移籍し、「ダイヤモンド・ブレイク!」「ビットビジネス」など数々の雑誌を編集長として創刊した後、ビジネス開発本部副部長に就任。2006年、これまでの編集経験から「人々の悩みを解決したい」との思いに至り、マイ・カウンセラーを設立。2007年ダイヤモンド社を退社し、メディアプロデュース業のメディア・ナレッジを創業すると共に、マイ・カウンセラーの代表取締役に就任する。
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