Windows Vista嫌いのユーザーがWindows 7を好きになる10の理由

文:Deb Shinder(TechRepublic) 翻訳校正:村上雅章・野崎裕子

2009-03-10 08:00

 Windows Vistaに不満を抱いているユーザーに朗報だ:Windows 7では、Vistaで頭痛の種となっている数々の点が改善されているだけではなく、さまざまな改良も加えられているのだ。

 私の友人や読者の中には、Windows Vistaが発売されても同OSに移行することを断固拒否する人が数多くいた。また、Vista搭載のPCを新しく購入した後すぐに、OSを「ダウングレード」する人もおり、自分の目の黒いうちはWindows XPを使い続けると宣言した人さえいたのだ。しかし、そういった宣言を行っていた人も含めて、Vista嫌いを公言していた人々の多くが、Windows 7のベータ版に感嘆の声を上げているのである。

 一部のテクノロジ評論家らは、Windows 7がVistaと大差ないと主張している(実際その通りであるが、Vistaユーザーにとっては、Vista用のドライバやアプリケーションの多くがWindows 7でも使用できるという点は魅力的に映るはずだ)。その一方、私の知人でWindows 7のベータ版を試用しているVista嫌いな人々は皆、この新OSが「Vistaを正しい方向に改善したもの」であると感じているようだ。

 以下は、Windows 7が発売された暁に、頑なにXPを使い続けているユーザーの多くがこの新OSを気持ちよく受け入れるだろうと考えられる理由である。

#1:UACが熟成されている

 VistaのUser Account Control(UAC)を使っていると、30歳を越えてなお、過保護な母親と一緒に住んでいるような気分にさせられる。デバイスマネージャの設定を確認したり、他のちょっとしたタスクを実行しようとするだけで、危険が差し迫っているかのような警告ダイアログボックスが表示されるのだ。これはまるで、あなたの様子を常にうかがい、何かしようとすると必ず「そんなことをして本当に大丈夫なの?」と尋ねる母親そっくりである。UACも母親も、あなたのことを気遣っているとはいえ、「安全」の名のもとにあなたをイライラさせるわけである。また、セキュリティに関係するとは思えない場合には特に、そのイライラもつのるというものである。(この件についての詳細は、TechNet Magazineに掲載されているMark Russinovich氏の「Inside Windows Vista User Account Control」(Windows VistaのUser Account Controlの内部動作)を参考にしてほしい)。

 Windows 7でもUACは残されているものの、ユーザー側でその振る舞いが選択できるようになっている。Windows 7では、不必要かつ冗長なUACダイアログボックスの表示を減らし、そのメッセージを判りやすいものとしたうえで、UACに対するきめ細やかな制御をユーザー側で行えるようにしているのだ。このため、UACの利点を数多く残しながらも、ユーザーのコンピュータ利用に対する事細かな介入を減らしている。これで、イライラしたあまりにUACを無効化してしまうということもなくなるだろう。

#2:Windowsエクスプローラ使用時のイライラ感がなくなっている

 Vistaでは、横スクロール操作の必要性を低減するために、Windowsエクスプローラの左側に表示されるナビゲーションペインが自動的に横スクロールするという仕様になっている。つまり、ユーザーのマウス操作によって、自動的に横スクロールが行われるのである。私の夫は、この自動スクロール機能を「モグラ叩き」と形容している。まさに、ペインの内容が左右に身をかわしているように見えるのだ。

 こういった自動スクロールは、ペインの右端をドラッグして階層構造全体が表示されるようにすることで抑止できる。しかし、私の使っているVAIOノートPCのような画面の小さいPCの場合、これは名案とは言えないのである。

 Windows 7では、ナビゲーションペインの自動スクロール機能が廃止されているため、横揺れによる船酔いの心配はなくなっている。

#3:グラフィックカードの共存が再び可能になっている

 XPではどのようなグラフィックカードを使っても、たいていの場合はマルチモニタ環境を構築することができる。私はNVIDIAとATI、Matroxという3枚のカードをインストールしたマシンを持っていた。XPでは、これらのカードに接続された3台のモニタすべてを使ってデスクトップを拡張することができていた。しかし、このマシンをVistaにアップグレードしたところ、マルチモニタ環境を構築できなくなったのである。ある調査によると、複数のグラフィックカードを使用する場合、すべて同じドライバを使用する必要があるのだという。つまり、ベンダーの異なるカードは同時に使用できないということになる。結局私は、マルチモニタ環境を復元するために、ATIカードを買い足す羽目になったのだった。

 複数の報道によると、Windows 7では、ベンダーの異なるさまざまなグラフィックカードがサポートされるようになっているという。おそらくこれは、ATIとNVIDIAのカードが1つのNVIDIA SLIで使用できるようになるという話ではないだろう。しかし、ベンダーの異なるグラフィックカードを使用したマルチモニタ環境が再び構築できるようになるということを意味しているのだと考えられる。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. ビジネスアプリケーション

    生成 AI 「Gemini」活用メリット、職種別・役職別のプロンプトも一挙に紹介

  2. セキュリティ

    まずは“交渉術”を磨くこと!情報セキュリティ担当者の使命を果たすための必須事項とは

  3. セキュリティ

    マンガで分かる「クラウド型WAF」の特徴と仕組み、有効活用するポイントも解説

  4. ビジネスアプリケーション

    急速に進むIT運用におけるAI・生成AIの活用--実態調査から見るユーザー企業の課題と将来展望

  5. クラウドコンピューティング

    Snowflakeを例に徹底解説!迅速&柔軟な企業経営に欠かせない、データ統合基盤活用のポイント

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]