マイクロソフト月例パッチ事前通知:8件のうち5件が緊急

文:Ryan Naraine(Special to ZDNet.com) 翻訳校正:石橋啓一郎

2009-04-10 14:20

 Microsoftは2009年4月14日(訳注: 日本では4月15日)、Windows、Office、Internet Explorerに影響のある、リモートからのコード実行やサービス妨害を引き起こす脆弱性を修正する8件のセキュリティ情報を公開する予定だ。

 同社の月例パッチ事前通知によれば、それらのセキュリティ情報のうち5件が「緊急」にレーティングされている。これは、その脆弱性を悪用することでハッカーがWindowsマシンの完全な制御を握ることができる可能性があることを意味している。

(参照:Microsoft issues Safari-to-IE blended threat warning

 私は、今回のInternet Explorerの脆弱性を修正するに関するセキュリティ情報は、かなり古くからあるSafariとIEの組み合わせによるじゅうたん爆撃攻撃の問題を修正するものだと聞いている。この問題は、2つのブラウザのセキュリティホールを組み合わせることによって、コード実行攻撃が可能になるというものだ。

 このIEのセキュリティホールは、もともとAviv Raff氏によって2006年11月(2年以上も前だ)に発見、報告されたものだが、Safariのじゅうたん爆撃のバグの問題で、組み合わせ攻撃で完全にPCが乗っ取られる可能性があることが示されるまでは、Microsoftに無視されていた。

(参照: Why Apple must fix Safari 'carpet bombing' flaw immediately

 実際、Microsoftはこの問題に関して、2件の別個のセキュリティ情報を公開する予定だと聞いている。パッチの1つはInternet ExplorerにあるLoadLibraryとSearchPathへの複数の呼び出しを変更して、ブラウザがデスクトップから直接ライブラリを読み込もうとするのを防止するものだ。

 Microsoftはまた、ハッカーからの攻撃から受けるダメージを限定的なものにする、追加的な縦深防御の仕組みと、新しいAPIを導入するが、アプリケーションの互換性の問題から、これらの保護機能はデフォルト状態では有効にはされない。

 今回の月例パッチには、優先度の高いIEに関するセキュリティ情報の他に、5件のWindowsに関するセキュリティ情報(うち、4件が緊急)、1件のMicrosoft Excelのアップデート(緊急)、1件のMicrosoftが「重要」とレーティングしているISAのサービス妨害の問題が含まれている。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. ビジネスアプリケーション

    生成 AI 「Gemini」活用メリット、職種別・役職別のプロンプトも一挙に紹介

  2. セキュリティ

    まずは“交渉術”を磨くこと!情報セキュリティ担当者の使命を果たすための必須事項とは

  3. ビジネスアプリケーション

    急速に進むIT運用におけるAI・生成AIの活用--実態調査から見るユーザー企業の課題と将来展望

  4. クラウドコンピューティング

    Snowflakeを例に徹底解説!迅速&柔軟な企業経営に欠かせない、データ統合基盤活用のポイント

  5. ビジネスアプリケーション

    AI活用の上手い下手がビジネスを左右する!データ&AIが生み出す新しい顧客体験へ

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]