ジュニパーネットワークスは5月12日、中小企業および大企業の部門向けに「スマート・ネットワーク」ソリューションを発表した。これは、同社のネットワークセキュリティ管理製品「Network and Security Manager(NSM)」と、「JUNOSソフトウェア」、サービスゲートウェイ「SRXシリーズ」の新製品、イーサネットスイッチ「EXシリーズ」の新製品で構成されるもの。
スマート・ネットワークは、「個別の製品だけでなく、ネットワーク全体のソリューションが必要だ」(ジュニパーネットワークス マーケティング本部 エンタープライズソリューションマーケティングマネージャー アジア太平洋地区担当 近藤雅樹氏)との考えから登場した。「従来のネットワークでは、各機能にひとつずつ機器やOS、管理システムが割り当てられ、複雑で高コストになっていた。スマート・ネットワークでは、ジュニパーの提供するSRXプラットフォームでルータ、セキュリティ機能、スイッチを統合し、JUNOSとNSMのみでネットワークを一元管理できる。つまり、機器のコストも管理コストも削減できるのだ」(近藤氏)
同ソリューションの発表にあわせてジュニパーでは、サービスゲートウェイSRXシリーズの新製品と、イーサネットスイッチEXシリーズの新製品を発表した。SRXシリーズに新たに加わった「SRX100」「SRX210」「SRX240」「SRX650」では、統合型脅威管理(UTM)と不正侵入防止機能が含まれている。SRXシリーズは、「ワールドワイドで市場シェアの高いセキュアルータと比較した場合、約半分のコストで5倍のセキュリティパフォーマンス、20倍のIPSパフォーマンス、同価格で16倍以上のギガビットイーサネットポートがある」と近藤氏。
一方、EXシリーズの新製品ライン「EX2200」は、支社や大学内のネットワークにおけるアクセスレイヤ展開向けのソリューションとなっており、「通信事業者クラスのネットワークが支店でも利用可能となる」と近藤氏は述べている。
近藤氏は、具体的な総所有コスト(TCO)の一例として、本社に2500名のユーザーを持ち、3つの拠点に各500名、400の小規模オフィスに各8名、合計ユーザー数7200名となる企業を例に挙げた。この企業の従来の構成では、設備が797万ドル、メンテナンスおよびサポートコストが180万ドルとなっているが、「ジュニパーのソリューションを使えば、設備は295万ドルで最大62.9%のコスト削減となり、メンテナンスおよびサポートコストは69万ドルで最大61.4%のコスト削減となる。また、OSの管理もジュニパーではJUNOSで統一されているため、最大25%の時間削減が実現する」と説明した。