SAPジャパンは6月9日、ビジネスインテリジェンス(BI)のフロントツールの新製品「SAP BusinessObjects Explorer」(BO Explorer)を発表した。同日から出荷を開始した。
今回発表されたBO Explorerは、現業部門や経営層などのエンドユーザーが知りたいキーワードを入力すると、そのキーワードに関連したデータが表示されることになる。検索されたデータは、クリックしていくことでドリルダウンして、データをさまざまな角度から見ることができるようになっている。
SAPジャパンのバイスプレジデントでありビジネスユーザー&プラットフォーム事業本部長を務める福田譲氏は、BO Explorerが持つ意味をこう語る。
「かつては会社や部署に必ず“エクセルの神”がいて、その彼にデータの分析をお願いしていた。だが、それは時間のかかることだった。BO Explorerを使えばエクセルの神に頼ることなく、自分でデータを分析することができる。BO Explorerがターゲットとしているエンドユーザーは、デスクのPCの前にはずっといないことが当たり前であり、そうしたエンドユーザーがBO Explorerを使えば、思いつきでデータを検索して、データを分析できるようになっている」
福田氏は「BO Explorerの“Explorer”は『探究する人』『探検する人』を意味している」として、BO Explorerがデータに眠る意味を探すツールであると説明する。そうしたエンドユーザーは、自分でPCを操作しながら、つまりツールとの双方向のやり取りの中からデータが持つ意味を“探究”“探検”できるということができる。
SAPにはすでに旧BusinessObjectsが開発したBIツール、たとえばレポーティングツールの「Web Intelligence」やダッシュボードツールの「Xcelsius」、報告業務に活用される「Crystal Reports」などがすでにあるが、今回のBO Explorerについては「既存のBIフロントを置き換えるものではなく、補完するもの」(福田氏)としている。その上で、BO Explorerは「カジュアルにBIを活用するエンドユーザーに向けた」(同氏)ものと説明する。
今回のBO Explorerは、オンメモリのBIシステム向け高速化アプライアンスである「SAP NetWeaver Business Warehouse Accelerator」(旧SAP NetWeaver Business Intelligence Accelerator)に対応したもの。これとは別に、オンメモリに対応していない「SAP NetWeaver Business Warehouse」に対応する“ノーマル版”も用意されるという。
SAPジャパンでは今後、日本IBMや富士通、日本ヒューレット・パッカード(日本HP)といったパートナーと連携して、ハードウェアとソフトウェアを統合・最適化を図って、より高速で導入が容易になったBO Explorerの提供をしていきたいとしている。