日本IBM、データ分析に基づく意思決定の精度向上を支援する新サービス

ZDNet Japan Staff 2009年07月08日 22時06分

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 日本IBMは7月8日、ビジネス分析やビジネス最適化の支援を専門とする「ビジネス・アナリティクス・アンドオプティマイゼーション(Business Analytics and Optimization:以下、BAO)」と呼ばれる新サービス、および組織を発足したことを発表した。

 BAOでは、金融、製造、流通をはじめとするさまざまな業種において、数理分析や情報管理におけるIBMの専門知識や技術を用い、組織の意思決定のスピードと質を高め、ビジネスの結果や成果を把握し、向上させることを支援するという。

赤阪正治氏 日本IBM、パートナーBAO担当の赤阪正治氏

 日本IBM、パートナーBAO担当の赤阪正治氏は、BAOが必要となる背景として、近年、企業で生み出されるデータが多様化、多量化している一方で、そのデータを意思決定に用いる経営層がデータの質や量、提供のスピードに不満を感じているという、IBMによる調査結果を引いた。BAOでは、こうした課題に対応するため、コンサルティング部門のビジネス知識と研究部門の数理科学的な知見を融合したソリューションの提示から、CognosやILOGといった製品を含む、IBMのインフォメーションマネジメントのポートフォリオ、ストリームコンピューティング技術、大量データのリアルタイム処理に適したサーバやストレージ製品などを統合したシステム基盤の構築までを包括的に提供し、経営におけるデータの予見的かつ戦略的な活用を実現するとしている。

 このサービスには、これまで案件ごとに各チームの個別対応で提供してきた内容も含まれるが、社内に分散した情報活用や分析に関するスキルとノウハウを改めて集結、メニュー化することで、より多くの顧客に対してサービスを提供することを意図しているという。7月に新たに発足した組織では、IBM東京基礎研究所の数理科学分野の研究員やデータ分析技術の専門家、大和ソフトウェア開発研究所の技術コンサルタントおよびソフトウェア技術者、インフォメーションマネジメント関連のソフトウェア担当者など、250名以上がサービスとシステムの構築に携わっているという。

森本典繁氏 日本IBM、東京基礎研究所所長の森本典繁氏

 日本IBM、東京基礎研究所所長の森本典繁氏は、BAOにおけるIBM Researchの役割として、「不確定要素が多く、複雑度や難度が高い事象について、見やすく、分かりやすく情報を提示すること」と述べ、数理科学によるロジスティクス(配送経路最適化や拠点最適配置)、製造(生産スケジューリングなど)、SCM(サプライヤー選定や拠点設置)、センサー・データ解析(時系列データ解析による障害検知)、不正検知(異常値の検出)、CRM(キャンペーン最適化)、シミュレーション(大規模交通シミュレーション)といった分野への応用事例を紹介した。

 BAOで提供するサービスの例としては、「ドア・オープナー・プログラム」「データ分析サービス」「情報プラットフォーム構築サービス」の3つが紹介された。「ドア・オープナー・プログラム」は、約1カ月の期間で企業の情報活用における成熟度を診断するもの。現状において情報活用を阻害している要素を診断し、目指すべき姿を提示する。「データ分析サービス」は、EPMS(Entity Profile Management System)による異常値検出、不正検知の仕組みを構築するもの。税務申告の不正検知や、製造工程での歩留まり向上などに利用できるという。また、「情報プラットフォーム構築サービス」は業界ごとに用意されたデータモデルを用いて、システム統合などを短期間に行うもの。例えば、銀行業向けではBDW(バンキング・データウェアハウス)と呼ばれるデータモデルを利用して、情報系システムの統合を行えるとする。価格は案件により異なるが、「ドア・オープナー・プログラム」の場合、約300万円前後が目安という。

 日本IBMでは、BAOの提供開始に伴い、IBCS丸の内オフィスと大和事業所に「IBMアナリティクス・ソリューション・センター(ASC)」を新設。世界各国のIBM基礎研究所や欧米アジアに設置されたASCと接続し、グローバル規模でのユーザー支援を行っていくとしている。

IBM ResearchのBAOに対する貢献 BAOでは、IBMの持つビジネス知識、数理科学の専門知識、ソフトウェア、ハードウェアを組み合わせて、データ分析を元にした意思決定の質的向上を支援するという。

ZDNet Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事を読んだ方に

関連キーワード
開発

連載

CIO
シェアリングエコノミーの衝撃
デジタル“失敗学”
コンサルティング現場のカラクリ
Rethink Internet:インターネット再考
インシデントをもたらすヒューマンエラー
トランザクションの今昔物語
エリック松永のデジタルIQ道場
研究現場から見たAI
Fintechの正体
米ZDNet編集長Larryの独り言
大木豊成「仕事で使うアップルのトリセツ」
山本雅史「ハードから読み解くITトレンド放談」
田中克己「展望2020年のIT企業」
松岡功「一言もの申す」
松岡功「今週の明言」
内山悟志「IT部門はどこに向かうのか」
林 雅之「デジタル未来からの手紙」
谷川耕一「エンプラITならこれは知っとけ」
大河原克行「エンプラ徒然」
内製化とユーザー体験の関係
「プロジェクトマネジメント」の解き方
ITは「ひみつ道具」の夢を見る
セキュリティ
エンドポイントセキュリティの4つの「基礎」
企業セキュリティの歩き方
サイバーセキュリティ未来考
ネットワークセキュリティの要諦
セキュリティの論点
スペシャル
エンタープライズAIの隆盛
インシュアテックで変わる保険業界
顧客は勝手に育たない--MAツール導入の心得
「ひとり情シス」の本当のところ
ざっくり解決!SNS担当者お悩み相談室
生産性向上に効くビジネスITツール最前線
ざっくりわかるSNSマーケティング入門
課題解決のためのUI/UX
誰もが開発者になる時代 ~業務システム開発の現場を行く~
「Windows 10」法人導入の手引き
ソフトウェア開発パラダイムの進化
エンタープライズトレンド
10の事情
座談会@ZDNet
Dr.津田のクラウドトップガン対談
Gartner Symposium
IBM World of Watson
de:code
Sapphire Now
VMworld
Microsoft WPC
Microsoft Connect()
HPE Discover
Oracle OpenWorld
Dell Technologies World
AWS re:Invent
AWS Summit
PTC LiveWorx
吉田行男「より賢く活用するためのOSS最新動向」
古賀政純「Dockerがもたらすビジネス変革」
中国ビジネス四方山話
ベトナムでビジネス
日本株展望
企業決算
このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]