その「イライラ」感、どうやって処理しますか?--田代センセーのメンタルテクニック(26)

田代真人(マイ・カウンセラー) 2009年08月06日 08時00分

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 みなさんこんにちは! マイ・カウンセラーの田代です。8月に入り、いよいよ夏本番です。日本には四季があるので、体の中にゆったりとした自然のリズムが流れている感じがありますね。ただ日本の場合、基本的に一部の地方を除くと高温多湿なので、蒸し暑くて不快な日が多いのも事実。不快な気候が続くと、イライラすることも多くなります。では、そのイライラという感情は一体何なのでしょうか。今回は「イライラ」感について考えてみたいと思います。

「イライラ」は思い通りにならないことが原因

 人がイライラする時の感情とは、自分の考えている通りに物事が進まない時の感情といえます。そのイライラの基準は、人によって異なります。電車が予定通り到着せずにイライラする人もいれば、平然としている人もいる。日本では電車がほぼ時間通り正確に発着しますが、電車は遅れるのが当たり前という国が多いのも現状です。そういう国の人々は、少しくらい電車が遅れてもイライラすることはないでしょう。

 イラつく感情の原因を整理すると、次のようになります。

 まず、自分の心で知らず知らずに作っている物事の「基準」や「常識」が存在します。その基準に基づいて日々生活しているあなたの目の前に、突然基準から外れた「電車が遅れる」という事象が発生します。基準を基にその後の予定まで立てていたあなたは、電車が遅れることが許せないと感じ、イライラします。

 つまり、あなたの基準と目の前で起こっている事象とを照らし合わせた時、その差異を許せない自分の感情がイライラなんですね。人は皆、できればイライラせずに日常を過ごしたいと思っています。かといって、自己が確立している人は自分なりの基準があるので、少なからずイラつくことがあると思います。このイラつく感情をコントロールできれば、日常のストレスを減らすことができます。

「イライラ」の対処法は?

 人は、長く生きていればいるほど頑固になっていくものです。頑固というのは、先ほど説明した「自分の基準」が揺るぎなく確立した状態ですからね。だから、そう簡単には崩せませんし、崩れません。頑固な人ほど日々イライラとすることも多いと思いますが、逆に「我関せず」と、イラつくことなく我が道を行く人も多いかもしれません。これはこれで対処法です。

 そこまで頑固になりきれない人も大勢いらっしゃると思います。そういう人こそ、私がお勧めするのは、柔軟な考え方です。これは、外の環境に合わせる考え方、変化に強い考え方です。「進化論」を唱えたダーウィンは、「この世に生き残る生き物は最も力の強いものか? そうではない。最も賢いものか? そうでもない。それは、変化に対応できる生き物だ」と提唱したと言われています。変化に対応する、つまり、外を変えようとせずに自分が変わるというものです。

 そのためには、自分が持っている基準や常識を常に変えられるようにしておくことが大切です。すべてを周りに合わせて変えるというカメレオン的な生き方はお勧めできませんが、いま一度「大きな自分のポリシーや哲学はなんだ?」と改めて自分に問い、譲れる部分とそうでない部分をはっきりさせましょう。そして、譲れない部分以外は譲ってしまうのです。それが当たり前になると、ずいぶんとイラつくことはなくなることでしょう。

 と同時に、余裕のある時間の使い方をするだけでもイライラは減っていきます。電車が遅れるかもしれないので、常に30分早めに行動するといったことでもいいですし、1日24時間のうち、バッファー、つまり緩衝的な役割を持つ時間として2時間程度を確保しておくと、1日に余裕ができます。

 物事がうまく進めば、そのバッファーを読書や映画を観る時間に使えますし、睡眠に充てることもできます。その2時間を作るのが大変なことは重々承知ではあるのですが、これがあるとないのとは、その後の人生すら変えていくことになるかもしれません。1日2時間の読書から得られる考え方や知識は小さなものではありません。私自身にも言い聞かせなければなりませんが、読者の皆さんも、無理だと決めつけることなく、ぜひ1日2時間のバッファーを作ってください。その余裕があなたをイライラから解放するのですから。

 自分の哲学=譲れない部分を柱として、それ以外は柔軟に対応する。自分の基本的なスタンスを決めて生きることが大事なのです。以前「周りに期待しない考え方」のお話をしましたが、それに通じる考え方でもあります。自分にとって不愉快な出来事を「仕方ない」と考えるだけで日常が楽になります。自分の力でどうしようもできないことは、結局あなたがイライラしてもしなくてもそのまま進んでいくのです。イライラしたところで何も変わらないのです。

 ある種、達観した領域ではありますが、考え方ひとつで日々暮らしやすくなります。せっかくの人生なのですから、気持ちよく生きていこうではありませんか。

田代真人
筆者紹介

田代真人
マイ・カウンセラー 代表取締役。九州大学工学部機械工学科卒業後、朝日新聞社を経て学習研究社へ。ファッション女性誌「ル・クール」編集者の後、主婦向け実用雑誌 「おはよう奥さん」の創刊メンバーとして、主婦の悩みを解決する「悩み相談センター」を開設する。その後ダイヤモンド社へ移籍し、「ダイヤモンド・ブレイク!」「ビットビジネス」など数々の雑誌を編集長として創刊した後、ビジネス開発本部副部長に就任。2006年、これまでの編集経験から「人々の悩みを解決したい」との思いに至り、マイ・カウンセラーを設立。2007年ダイヤモンド社を退社し、メディアプロデュース業のメディア・ナレッジを創業すると共に、マイ・カウンセラーの代表取締役に就任する。
ご意見、ご感想は mc-info@mycounselor.jp まで。

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