同社が考える広域災害対策の基本姿勢は、災害時であっても店舗の継続的運営と店舗経営のバックアップができること。災害時にも、商品の配送ができ、本部と店舗の情報システム、会計システムが稼動することが求められる。
同社は情報システム拠点の2極化と、各種サーバ、データストレージの二重化を実施しているが、その際にはサーバ統合化などを行うことでシステムコストを3割低くすることも同時に実行実施しているという。
ディザスタリカバリがコスト削減につながる
2006年から構築を始めている「第6次総合情報システム」では、グリッドコンピューティングの技術を採用している。
CPU、メモリ、ディスクなど、IT資源の「プール」を作成し、処理要求に応じて資源を最適配置する。また、停電の情報を的確に把握して、状況を診断するしくみもある。停電はそれ自体、異常事態だが、早期に復旧しないとなれば災害が起きている可能性が大きくなる。
「停電の状況をみれば、被害の程度がわかる」ことになり、これをもとに適切な対策を講じることができるのだ。実際、2004年の新潟県中越地震の時には、地震発生後1時間程度で対策の協議に入り、いち早くヘリコプターを確保して物資を輸送した。
災害という最大級の障害への耐久性を強化しようとする試みは、機器の障害に対する予防措置にもつながる。加えて、同社の戦略は、サーバ統合、ネットワークの一元化といった施策が、効率性の向上化、コスト低減化にも貢献することも示している。