メンテナンス契約は、データの喪失や、予期せぬ故障、機能停止を防ぐために企業が行える最善の投資である。本記事では、顧客にメンテナンス契約を締結してもらうために、筆者のコンサルティング会社が実践しているティップスを紹介する。
サービス契約やサポート契約の必要性を感じつつも、その対価を支払うことに難色を示す顧客は数多くいる。そういった契約は小規模企業にとって生産性や効率、順調な業務運営を確実に維持するための最善の投資であるはずにもかかわらず、重要なメンテナンス作業や監視作業のための支出を決断できない企業もあるのだ。
筆者はこのことに常々驚かされている。サービス停止が起こらないようにするための支出を決断できない一方で、重要なPCやサーバ、ネットワーク機器が故障した際に、それが週末の深夜であったとしても故障修理担当者を呼び出し、その5倍にも及ぶ経費を支払うことには躊躇しないという顧客もいるのである。
あなたは企業のパートナーとして、サービス契約やサポート契約の必要性、およびその価値を事業主に理解してもらえるよう支援する責任を負っているのである。以下は、顧客にメンテナンス契約を締結してもらうための3つのティップスである。
#1:サービス計画の利点を文書化しておく
サービス契約やサポート契約の締結に興味を示していない企業であったとしても、前もってメンテナンス契約書を作成しておき、プロジェクトの完成時に現場で事業主に手渡すのである。そして時間をとってもらい、契約を締結した際に生み出される重要な利点を説明するのだ。
筆者のコンサルティング会社では通常の場合、以下の利点すべてを提示するようにしている。
- 緊急対応サービスが提供される。これにより、重大なトラブルが発生した場合でも、緊急サポートを速やかに受けることができる。
- 業界において通常課金される出張料金が不要である(たいていの場合、技術者の移動時間に対するコストおよび/または交通費として35ドル以上の金額が設定されている)。
- 毎月4時間分(あるいはそれ以上)のサービスが提供される。
- ビジネスに支障を与える故障や障害などに対するプロアクティブサービス(予防保全サービス)の提供を目的とした、サーバやクリティカルなシステム、機器の監視(毎日)が提供される。
- 他の作業に対して割引料金が適用される。
- 従業員の個人的なシステムに関する作業に対しても割引料金が適用される。
プロアクティブサービスによって、トラブルの発生を未然に防ぐことができるといった利点だけでなく、企業に対するその他の利点も含めて文書化しておくことで、事業主がそういった契約を締結した場合に手に入れられる価値が一目でわかるようになる。こういった文書は簡潔でありながらも、内容をきちんと説明したものとなっている必要がある。筆者の会社の契約書は、住所や署名を含めても2ページしかないのである。