人が生む「知」も重要な経営資源--きちんとナレッジマネジメントしてますか? - (page 2)

梅田正隆(ロビンソン)

2009-10-08 15:00

知識創造のスパイラルは回っているか?

 そもそも「ナレッジマネジメント」とは、何なのか。それは企業が保有する知的資源から価値を創造する組織的なプロセスのことだ。個人が持つ知を組織全体で共有あるいは移転し、再利用したりして、新しい知を創造していくマネジメント手法である。

 ナレッジマネジメントのフレームワークとしては、知識経営の生みの親である野中郁次郎氏らが提唱した、知識の蓄積プロセスのモデルである「SECI (セキ) モデル」があまりにも有名だ。

SECIモデル ナレッジマネジメントのフレームワークとして有名な「SECIモデル」。4つの変換プロセスを回していくことによって、より高次の知を創造していく「知識創造のスパイラル」を提案した。(画像クリックで拡大表示)

 SECIプロセスにおいて重要なのが、「形式知」と「暗黙知」との変換だ。

 形式知とは、言葉や文字で表すことができる知であり、コンピュータに取り込みやすい知である。暗黙知とは、形式知の逆で、言葉や文字で表しにくいため共有することが難しいし、コンピュータに取り込みにくい知のことである。

 経験的に獲得した暗黙知を、形式知に変換して共有し、形式知の蓄積から新しい形式知を創造する。そんな形式知を活用した経験から新たな暗黙知を得る。知識創造企業はこれを繰り返すのだという。

再利用で速度を上げるか、専門性でじっくりいくか

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