日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は10月15日、同社のブレード製品群「HP BladeSystem」のラインアップを強化した。新製品として発表したのは、HP BladeSystemに対応したネットワーク製品「HP ProCurve 6120G/XG ブレードスイッチ」および「HP ProCurve 6120XG ブレードスイッチ」と、ブレード型ワークステーションの「HP ProLiant WS460c G6 ワークステーションブレード」だ。
日本HPでは、HP Blade Systemを発表した当初より「Blade Everything」というコンセプトを打ち出し、x86サーバやItaniumサーバ、ネットワーク、ストレージ、ワークステーションなどさまざまな製品をブレード化してきた。日本HP エンタープライズ ストレージ・サーバ事業統括 ISSビジネス本部 本部長の橘一徳氏は、「今回HP Blade SystemにProCurveスイッチ製品を追加することで、ブレードのコストパフォーマンスを向上させ、ブレードの浸透を再加速させたい」としている。
HP ProCurve 6120G/XG ブレードスイッチは、外部10Gビット対応のエントリー向けモデル。サーバ側ダウンリンクとして1Gビットイーサネットのポートを16基搭載し、上位のネットワーク接続のアップリンク用として10Gビットイーサネットのポートを3基、1Gビットイーサネットのポートを6基搭載する。価格は57万7500円(税込み)からで、11月中旬の出荷開始を予定している。
HP ProCurve 6120XG ブレードスイッチは、フル10Gビットイーサネット対応の上位モデル。サーバ側ダウンリンクとして10Gビットのポートを16基搭載し、上位のネットワーク接続のアップリンク用として10Gビットのポートを8基搭載する。価格は136万5000円(税込み)からで、1月中旬より出荷する。
ProCurveシリーズは、ユーザーが製品を使い続けている限り販売完了後も製品をサポートする「ライフタイム保証」を提供しており、今回発表した新製品もライフタイム保証が適用される。日本HP エンタープライズ ストレージ・サーバ事業統括 ISSビジネス本部 サーバ・プロダクト・マーケティング部の木村剛氏は、「低価格かつライフタイム保証が提供できるのは、ほかの製品とハードウェアを供用し、設計と製造コストを削減しているためだ」と説明する。
米Hewlett-Packard HPネットワーキング ワールドワイドマーケティング バイスプレジデントのSteve Dietch氏は、HP ProCurveとHP Blade Systemが統合することで「シンプルなデータセンターネットワーク環境が構築でき、俊敏性が向上する。また、管理コストや消費電力などのコスト削減にも結びつき、ライフタイム保証によるサポートでリスクも低減できる」と述べている。
同時に発表したワークステーションブレードのWS460cは、インテル Xeon プロセッサー 5500番台が最大2基、メモリは最大96GバイトのDDR3メモリが搭載可能だ。また、HPの研究所で開発した圧縮技術を利用した可逆圧縮技術ソフトウェア「HP Remote Graphic Software」が利用可能で、従来困難だった3Dグラフィックスなどの大容量データも少ないネットワーク負荷で高速転送が可能になる。WS460cの最小構成価格は34万1250円(税込み)から。11月中旬より出荷を開始する。
日本HPでは新製品の発表に合わせ、ブレードエンクロージャを再び315円で提供する「帰ってきたエンクロージャ315円キャンペーン」や、ストレージ製品の「HP StorageWorks EVA」「HP LeftHand」を30%引きで提供する「ストレージてんこもりキャンペーン」、HP ProCurveを最大40%引きで提供する「今こそスイッチと接続キャンペーン」などの販売促進キャンペーンを用意した。不況の影響もあって、IDCの調査で2009年第2四半期にはじめてブレードサーバの台数成長率が前年比マイナスとなったHPだが、「夏以降は開発投資案件も増えてきており、明るい兆しは見えている」(橘氏)として、今後もブレード製品を積極的に展開していく姿勢を見せた。