ノークリサーチは10月26日、2009年の中堅・中小企業(SMB)でのワークフローアプリケーション市場の調査結果を発表した。ワークフローアプリケーション市場では、パッケージが76.3%と多数を占めているが、独自開発システムが20.3%、ASP/SaaS形態が3.4%という利用の割合となっている。
ワークフローには精算処理や稟議申請といった単体システムの中で完結するものとビジネスプロセスマネジメント(BPM)のように業務基盤としての性格の強いものに分けられる。前者にはパッケージやASP/SaaSが比較的多く、後者は独自システム開発が多いと、同社は明らかにしている。
パッケージでのシェアを1位から見ると、「Intra-martワークフロー」(9.6%、NTTデータイントラマート)、「FlowLites」(8.5%、NECソフトウェア九州)、「eValue NS/Advance-Flow」(6.2%、OSK)、「X-point」(5.6%、エイトレッド)「ExchageUSEワークフロー」(5.6%、富士電機システムズ)という結果になっている。単独でシェアの大半を占めるものはまだ存在していないことが分かる。
上位3製品についてノークリサーチでは、「何らかの形でシステム連携を意識しているという点が共通している」と分析。単体の稟議申請としての機能に加え、中堅企業を中心に業務フロー管理を担う役割が求められつつあると推測している。
また今後の新規導入、継続して利用する意向のあるパッケージという点では、X-point(15.5%)、Intra-martワークフロー(10.3%)、FlowLites(8.6%)の順位で上位から並んでいる。ワークフローのパッケージは製品数が多く、新規参入も盛んであることから、利用予定のシェアは大きく変動することが多いとしている。ワークフローアプリの今後のポイントが業務フロー管理であることから、他社製品との連携が必須だが、「連携性」が市場シェアを左右する要因になってくるだろうと、ノークリサーチでは見ている。
パッケージ製品に対する評価では、上位5つを順番に見るとeValue NS/Advance-Flow(72.7%)、FlowLites(72.0%)、ExchageUSEワークフロー(70.0%)、X-point(66.0%)、Intra-martワークフロー(64.7%)という並びになっている。
Intra-martワークフローとX-pointが比較的低い評価であるのは、どちらの製品も統合基幹業務システム(ERP)やグループウェアとの連携が強みであり、それだけにシステム統合を伴うことが多いという点が評価に影響していると見ることができるという。こうした見方からノークリサーチでは、手軽な連携性を実現することがシェアと評価の両面で重要なポイントだと説明している。