マイクロソフトとインターネットイニシアティブ(IIJ)は10月27日、クラウド向けサービスの提供に向けて協業すると発表した。
この協業によりIIJは、マイクロソフトが提供する仮想化テクノロジ「Hyper-V」をはじめとするプラットフォーム製品群を、IIJのクラウド基盤「IIJ GIO」に活用し、Windows Server環境に特化したプラットフォームサービスを2010年5月より提供する。
提供予定のサービスは、サーバ構築の手間をかけることなく、各企業の個別のニーズに応じてCPUやメモリなど必要なサーバリソースを選択し、柔軟なクラウド環境が構築できるというもの。Hyper-Vはもちろん、マイクロソフトの運用管理ソフト「System Center」などから構成されるクラウドコンピューティング向けデータセンター構築ツール「Dynamic Datacenter Tool kit」を活用し、Windows Serverベースのシステム環境に最適なクラウドサービスをIIJ GIOのクラウドプラットフォーム上で提供する。
このサービスにより、企業は現在利用しているWindows Server対応アプリケーションを変更することなく、短期間で現在のシステムと同等のWindows Server環境をクラウド上に構築できるという。
今回のサービス提供にあたり、マイクロソフトはソフトウェアパートナー各社と協力し、各種アプリケーションの動作検証を実施、クラウドへの移行を支援する。また両社は、11月より共同でマーケティング活動も開始する。
今後両社は、必要に応じてアプリケーションを従来の自社運用システム上やクラウド上へ柔軟に配置できるサービスの提供などに向け、共同で技術検証を行う。IIJは、サービス開始から3年間で、サーバ4000台規模の販売を目標としている。
IIJ GIOは、IIJが10月5日に発表したクラウドサービスで、プライベートクラウドおよびパブリッククラウドのサービスを月額料金8000円(税別、パブリッククラウドの場合)より提供するもの。IIJグループでは、26日にはシトリックス・システムズ・ジャパンとの協業も発表しており、シトリックス製品を活用した「IIJ GIO 仮想デスクトップサービス」を2010年2月より開始するとしている。