SaaS型のメールサービスである「Cisco WebEx Mail」は、PostPathの買収で得たテクノロジーを利用して提供されるもの。クライアント環境は、Ajaxを採用したウェブメールだけでなく、Outlookやモバイルデバイスなどもサポートする。メールでのコミュニケーションにあたって、サーバインフラの運用管理負担を減らしたいと考える企業向けの選択肢となる。
それぞれの製品やサービスの日本での提供時期については、順次発表していくという。
シスコシステムズ合同会社、アーキテクチャー&テクノロジー事業統括専務執行役員の石本龍太郎氏は、2009年から2013年において、国内のユニファイドコミュニケーション市場がトータルで20%伸長するというIDC Japanの予測を引きつつ、「ここに(今回発表した)シスコの新製品群がはまってくる」と、市場の拡大に期待を寄せる。
新たなIP電話製品群である「IP Phone 9900/8900/6900シリーズ」に加え、PCとIP電話および携帯電話でプレゼンス情報を共有できる「PhoneAppli」、WebExを通じて企業内と社外との多対多のウェブ会議を実現する「Cisco WebEx Node for MCS」、iPhoneからオフィスのテレフォニー環境にアクセスできる「Cisco Mobile」など、幅広い製品群で、伸長が見込まれる市場での地歩拡大を目指す。
また、11月19日新たに発表された「CollaboPlace」は、Cisco TelePresenceをベースとし、NGNに対応したコラボレーションシステムだ。石本氏が「革命的」とする同システムの特徴は、組み立て可能な枠組みを利用して設置する、リース形式のテレプレゼンスシステムという点。テレプレゼンス用の会議室を設ける予算がない企業であっても、通常の会議室などのスペースにアドオンでハイビジョンのテレプレゼンス環境を組み込むことができる。オフィスのレイアウト変更に伴う移動も容易に行え、退去や移転の際の原状回復に伴う費用を積みます必要もないとする。価格は、5年間のリースの場合、保守料込みで月額29万8800円(税別)となる。
多岐にわたる製品群の選択にあたっては、「テレフォニー分野でのバックグラウンドがあるスタッフから構成された、シスコのプロダクトスペシャリスト集団が、ユーザーの現在の環境とニーズを分析し、最適な製品を提案できる体制を整えている」(石本氏)とした。