ITプロフェッショナルであるあなたは、何かしらとものを読む機会が多いのではないだろうか。そして、その多くはマニュアルや、あなたの業務に関係するその他の技術的な書籍や記事だろう。しかし本当は、他の種類のIT関連の本も読んでいるべきだ。例えば、IT関連のノンフィクションを読むことで業界に対する異なる見方ができるようになることがあるし、IT関連のフィクションを読むことで、リラックスして業界を楽しむことができるようになるかもしれない。本記事では、2000年代の最初の10年を締めくくるにあたり、ITプロが読むべき10冊のリストを作ることにした。
1: 「Does IT Matter?--Information Technology and the Corrosion of Competitive Advantage(邦題:ITにお金を使うのは、もうおやめなさい)」
Nicholas Carr著
地球上のすべての組織は、何らかの形で情報技術に依存している。情報技術はビジネスの血液であり、この記事の読者の多くに、日々の糧を得る手段を与えている。しかし、はたしてITは本当に何か違いを生んでいるのだろうか。このIT業界について考えさせられる見方で、著者は我々に、ビジネスの成功に対するITの役割を検証すべきだと迫っている。私は、やっている仕事にかかわらず、IT業界に関わっているすべての人にこの本を読んでみることを強く勧めたい。サポート業務のスペシャリストから最高技術責任者(CIO)まで、あらゆる人がCarr氏の分析から何かを学ぶことができるだろう。
2: 「The Road Ahead(邦題:ビル・ゲイツ未来を語る)」
Bill Gates著
それはWindows 95がコンピュータ界を劇的に変えた直後のことだ。Bill Gates氏は「The Road Ahead」を出版し、その中で個人のコンピューティング革命について検討し、その革命がインターネットの情報スーパーハイウェイで形作られた未来にどのような役割を演じるかを議論した。この本には2つの版がある。最初の版は1995年の12月に出版されており、第2版は1996年10月に出版された。第2版がこんなにすぐに出たのは、Gates氏が、第1版で理論化したよりも速いスピードでインターネットが世界を変えていることを認識したためで、同氏はこの本を革新的なものであると同時に、正確なものにしたいと考えたためだ。
書籍に付録CDが付くのは最近ではかなり一般的だが、私の記憶では、The Road Aheadは付録CDを付けた最初の本の1つだったと思う。このCDには同書のテキストと補足情報が収録されていただけでなく、2本の短い動画も入っていた。これらの動画は、同書で議論された技術が将来どのような役割を演じるかを示したミニドラマだった。1本の動画では、母親と息子が、情報家電や双方向テレビなどの家庭内テクノロジーを使う場面が出てくる。別の動画では、2人のシアトル警察の刑事がビデオ会議、モバイル通信、電子財布を使っている。最初の動画では、その男の子が学校に行き、タブレットPCやデジタル白板など、教育で使われるさまざまな電子的な道具を使っているところが見られる。
この本は比較的古いものだが、それでもまだ読む価値がある。同書は、当時このように技術を捉えており、その方向に向けてMicrosoftを経営していた同氏の考えを示す興味深いものになっている。