日立ソフトの地理情報システムが全国地域情報化推進協議会のプラットフォーム準拠に

富永恭子(ロビンソン)

2010-02-15 20:00

 日立ソフトウェアエンジニアリングは2月15日、同社のエンタープライズ型地理情報システム(GIS)製品「GeoMation」が、財団法人 全国地域情報化推進協議会(APPLIC)に登録されている他社の業務ユニット製品との相互接続確認を完了し、同財団の主催する地域情報プラットフォーム準拠製品に登録されたと発表した。

 APPLICは、地方公共団体、国、民間のさまざまな情報システムをオープンに連携させるための基盤の構築を推進する団体で、地域におけるより便利で効率的なサービスの統合と整備をめざし、地域情報プラットフォームの標準化を進めている。地域情報プラットフォーム準拠製品とは、APPLICが公開する標準仕様書に準拠し、相互接続確認の完了を受けて正式に登録されるものだ。

 GeoMationは、空間情報を利用した各種業務システムを実現するために、さまざまな形式のデータを統合し、連動可能にするGIS製品。これまで電気、ガス、農業分野の設備管理などで導入されてきたという。

 日立ソフトによると、今後地方公共団体の情報システムにおいて地域情報プラットフォームへの対応が進み、地理空間データが活用されると予想されていることから、地方公共団体でこうしたデータをより活用してもらうため、従来から提供しているGeoMationに「GIS共通サービスIF」などAPPLIC仕様に準拠したインタフェースを追加、地域情報プラットフォームの標準仕様に対応させた。これにより、GeoMationと地方公共団体におけるさまざまな情報システムが連動しやすくなり、統合型GISとしての利用が容易になるとしている。

 また同社は、統合型GISにGeoMationを採用する地方公共団体のメリットとして、GIS共通サービスIFを通じて地域情報プラットフォーム上の各業務システムに散在する位置に関する情報の集約や管理が可能であることをあげている。各システムの業務データをGISで活用できるため、業務横断的に情報共有ができ、業務効率が改善できるという。また、各個別GISからは汎用的なGIS共通サービスIFを使用してGeoMationの共用空間データへアクセスできるだけでなく、個別GISおよび個別空間データは従来通り利活用できるため、業務効率を維持したまま統合型GISへ移行できるとしている。さらに、各部署から共通データの所在を確認するための地理情報検索機能「クリアリングハウス」や政策判断を支援するための「集計・解析機能」などの提供などにより、統合型GISの利用価値を高めることができるとしている。

 日立ソフトでは今後、GeoMationを活用したサービスの向上をめざす地方公共団体を支援する。具体的な支援内容として同社では、共用空間データの一元管理によるデータ整備やメンテナンス費用の削減、空間データの相互利用による業務効率の向上、地図を使った情報提供による住民サービスの向上などをあげている。

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