Microsoftは既存ソフトウェア製品のクラウド版あるいはクラウドコンポーネントを展開するというミッションの一部として、データセンターとデータセンターインフラの構築を急ピッチで進めている。
データセンターの中で利用されている技術については、Microsoftは一部情報を公開しているが、データセンター計画全体についてはまとまった情報を公開していない。今回、わたしの情報源から以下のスライド(2009年11月作成)を入手できたので、公開したい。このスライドから、Microsoftが世界のどこに「Microsoft Online」用のデータセンターを構築した/構築中かがわかる。
Microsoftは、世界各地でデータセンターを2セット1組で構築する計画だ。1つはプライマリ用で、もう1つはセカンダリの災害復旧用となる。Microsoftは南アメリカ市場向けのプライマリデータセンターをブラジルに構築し、北米のデータセンターでバックアップするかを評価中だった。
スライドからは、Microsoftが数カ月以内にブラジル、チリ、コロンビア、チェコ、ギリシャ、ハンガリー、イスラエル、メキシコ、ポーランド、プエルトリコ、ルーマニア、香港、韓国、台湾で顧客向けサポートを追加する計画であることがわかる。
Microsoft Online--このスライドでは「MS Online」と記されている--はMicrosoftがホスティングするサービスの開発と提供の一部となる。これには、「Business Productivity Online Suite(BPOS)」、個々のBPOSサービス(「SharePoint Online」「Exchange Online」「Office Communications Online」「Live Meeting」など)、「Dynamics CRM Online」、それに以前このブログで触れた「BPOS Lite」などがある。
アップデート:Microsoftは2009年11月にこのスライドを作成後、計画を一部変更しているらしい。以下に、データセンターオペレーションズ担当ゼネラルマネージャーKevin Timmons氏の声明文を紹介する。
これは古い“ビジョン”を記したスライドで、既存および将来のデータセンター計画を正確には反映していない。データセンターは、顧客のクラウドサービスに対する将来の需要に応える長期的な事業アプローチを示すものだ。われわれの事業グループからのいくつかの提案を検討し、われわれの長期的な事業アプローチにマッチする綿密で均整の取れた投資を行っていく必要がある。将来のキャパシティをインクリメンタルにコスト効率の高い方法で事前に投資することで、将来の需要に応じることが可能となる。
これを翻訳するなら、「4月に実現すると期待しないで欲しい」といったところだろうか。Microsoftの現実の計画が実際のところこのスライドとどのぐらい違うのか、興味深いところだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ