電通国際情報サービス(ISID)は4月7日、クラウド対応のオープンソースフレームワーク「Slim3」の商用サポートサービスを4月より開始すると発表した。
Slim3は、Google App Engine for Java(GAE/J)上のアプリケーション開発を効率化するためのフレームワーク。GAE/Jの環境に最適化されており、GAE/J上のアプリケーションが最も有効に稼働するように作られているという。2004年にリリースされた「Seasar2」と同様、ISID社員である比嘉康雄氏がチーフコミッタとして開発したオープンソースソフトウェア(OSS)で、特定非営利活動法人Seasarファウンデーションが開発を支援している。
同社によれば、GAE/Jで利用できる分散キーバリューストア型データベース「BigTable」は、データ量が急激に増加してもパフォーマンスが低下しないというメリットがある一方、検索時のフィルタリングやソートなどはRDBMSに比べて制限されており、その点がアプリケーション開発における制約になっていたという。これに対して、Slim3では、インメモリでフィルタリングやソートを行うことができ、BigTableの制約を大幅に回避できるという。また、複数のエンティティグループにまたがる一連のトランザクションの整合性を保つ「グローバル・トランザクション」と呼ばれる機能を持ち、企業の業務システムなどへの活用も容易になるとしている。
今回、ISIDが開始する商用サポートサービスでは、Slim3に関する技術的な問い合わせへの回答を行うヘルプデスクの設置と不具合の調査、修正、修正版ソフトウェアの提供などを有料で行う。また、トレーニング、コンサルティング、ソフトウェアベンダー向けサポートも別途実施するという。
Slim3商用サポートの年間サポートサービスの提供価格は、5インシデントで30万円から、20インシデントで60万円からとなる(質問1つにつき1インシデント、価格はいずれも税別)。