エス・エス・ジェイ(SSJ)は4月8日、統合業務パッケージ「SuperStream」に関する国際会計基準(IFRS)への対応計画について発表した。
IFRSについては、2010年3月期から任意適用が開始している。加えて、この4月以降に始まる事業年度から、IFRSへのコンバージェンス項目のひとつである資産除去債務の報告が必要になる。強制適用開始が見込まれる2015年以降には、上場企業だけでなく取引がある中堅中小企業にも影響することから、会計システムの機能追加および刷新が求められる可能性が高い。
同社では、IFRSの動向把握、迅速なシステム機能提供のため、社内外の専門家による「SuperStream IFRS専門検討委員会」を設置。これにより、SuperStreamの業務要件定義を行っている。
今回発表されたSuperStreamのIFRS対応では、2月にIFRSコンバージェンス項目の資産除去債務対応機能を提供したのに続き、今年6月以降には「包括利益」、12月には「過年度遡及修正機能」を提供する予定。さらに、2012年度以降には、財務諸表の表示(フェーズB)、固定資産減損、無形資産、固定資産リース、企業結合のれん償却への対応のほか、国内基準とIFRSにあわせた複数帳簿機能を提供する計画を明らかにした。
また、IFRS対応に関して、国内100社のSuperStreamビジネスパートナーのアプリケーションやコンサルティングサービスと連携させていく姿勢を示した。
SSJの代表取締役社長である谷本善男氏は、「日本の企業にとって、IFRSへの対応はもはや避けて通れないもの。SuperStreamは、国内100社のパートナーが持つ豊富なアプリケーションやコンサルティングサービスとの連携のほか、ユーザー会であるSuperStream Users Groupの声を製品に反映できることが特徴といえる。現在、SuperStreamには、5500社の累計導入実績があるが、2012年には8000社、2015年には1万社への販売を計画し、そのうち、2015年には750社に対して、IFRSシステム化を計画する。IFRSをビジネスチャンスとしてとらえ、国産パッケージとして会計システム市場で地位確立を目指す」とした。
また、SSJマーケティング企画部部長の山田誠氏は、「IFRSは先の話であるとか、連結先行なので、親会社の話であると思っている企業が多いが、調査から構築、稼働まで、5年程度のスパンで考えなくてはならず、また、対象範囲が関連子会社にまで及ぶことからも、準備の時間は意外と少ない。これからのコンバージェンスについては、日本の基準で決定していくことになる。日本で起きていることに迅速に対応していけるのは、国産パッケージならではの強みになる」などとした。
IFRS対応へ向けたシステムの修正について、大きな作業負荷はないとしているが、実務レベルでの会計作業が煩雑になる可能性はある。また、対応モジュールについては、一部オプション化して、有償で頒布するものもあるという。
SuperStreamは、1995年の発売以来、国内の中堅企業ユーザーを中心に5500社に導入実績がある。そのうち、570社が上場企業であるとする。会計、人事、給与に特化した国内パッケージベンダーであり、キヤノンマーケティンググループの1社でもある。2009年12月1日には、最新版となる「SuperStream-NXシリーズ」を市場へ投入している。SuperStream-NXシリーズでは、これまで主要ターゲットとしていた中堅企業だけでなく、SaaS対応を図ることで年商50億円以上の中小企業への展開や、エンジン部分だけの販売により1000億円を超える大企業へも積極的にも展開を図っている。今後、5年間でユーザーを2倍に広げる強気の販売計画を掲げる。