富士通は4月20日、XBRL(eXtensible Business Reporting Language)ソフトウェアの最新版「Interstage XWand V11」を同日より全世界で販売開始したことを発表した。XBRLは、財務情報を作成、流通、利用するために標準化された言語だ。
最新版では、複数企業や複数期の財務情報を比較表示する「ダッシュボード機能」を提供する。この機能により、企業は公的機関などから開示されるXBRLデータを活用して、競合他社との比較や経年変化の分析ができるようになる。
また、Microsoft Wordで作成された文書をXBRL形式に変換する「Word連携機能」も備わった。米証券取引委員会(SEC)や英国の財務機関、企業登録機関では、財務諸表部分だけでなく文章部分を含む報告全体をXBRL形式で提出することが義務化されているため、この機能によってXBRLデータが容易に作成できるようになるという。
さらに最新版では、財務情報の内容を検証するルールを定義して実行できるXBRLデータ検証機能を提供する。特に、SECへの提出ルールであるEDGAR Filer Manualの検証をあらかじめ定義しており、ルールの約60%を自動検証するという。また、ルールはプログラムにより一括実行され、大量のデータ処理が可能だという。
Interstage XWand V11の価格は、実行環境ソフトウェアとなる「Interstage XWand Runtime V11」が1ユーザーにつき10万円から、XBRLツールキットの「Interstage XWand Toolkit V11」が30万円、開発ソフトウェアの「Interstage XWand Application Developer V11」が50万円(いずれも税別)となっている。出荷時期は6月末の予定だ。
富士通では、XBRL対応ソフトウェアとして、2003年よりInterstage XWandシリーズを提供しており、同製品はこれまでに世界25カ国、約100の機関や企業で採用されている。富士通では、同シリーズの導入ユーザー数を2010年度にグローバルで50%増加することを目標としている。