EMCジャパン(EMC)は5月13日、ワンビシアーカイブズ(ワンビシ)がEMCの重複除外ソリューション「Avamar」を社内ファイルサーバのバックアップに採用したことを発表した。これにより、バックアップデータが削減され、バックアップ時間が従来の10分の1に短縮したという。
企業情報の総合マネジメントを事業の柱とするワンビシは、2008年にIT情報資産のオンラインバックアップサービス事業を拡充するにあたって、ネットワーク負荷の低いソリューションを模索していた。
そこでワンビシは、2008年9月から1カ月間、社内のファイルサーバのバックアップソリューション用にAvamar搭載のアプライアンスサーバである「Avamar Data Store」の評価機を使い、機能と性能の検証を実施。その結果、データを重複除外してから転送するAvamarが、ネットワークに負荷をかけることなくデータ転送できることを確認した。また、ストレージ容量を削減するだけでなく、バックアップ時間の短縮にもつながるという効果も検証できたため、2009年4月から東京と大阪に1台ずつAvamar Data Storeを設置して社内利用を開始した。Avamarの採用で、これまでトータルで約40時間かかっていたバックアップ時間が約4時間に短縮され、運用管理者の工数が改善できたとしている。
ソリューション採用にあたってワンビシは、ユーザーごとにデータを区分けできるAvamarの「マルチテナント機能」や、遠隔地でも対応可能な「レプリケーション機能」、ノード全体での可用性を実現する「RAIN(Redundant Array of Independent Nodes)」機能、安全にデータを転送できる「データ暗号化機能」など、機密性と完全性、可用性を確保したセキュリティ性能を高く評価。また、AvamarではLANおよびWANに転送される前の段階でデータを重複除外するためネットワークへの負荷が軽減できることや、20種類以上のOSやアプリケーションに対応していること、Avamarクライアントソフトのインストールやデータのリストアが容易であることも採用の決め手になったとしている。
ワンビシでは、顧客メリットが社内で確信できたことから、社外向けのサービスを「WANストレージライト」として商品化した。同サービスは、企業システムの業務データをオンラインで遠隔地のストレージ装置へ自動的にバックアップするもの。首都圏、関西圏のデータセンターにAvamar Data Storeを1台ずつ設置、2月に2社の顧客企業に対してトライアルユースを開始し、3月1日から正式に同サービスをスタートさせている。