IDC Japanは5月19日、国内ネットワーク機器市場予測を発表した。2009年の同市場は、通信事業者の投資減少と企業の投資抑制の影響を受けて大きく売り上げが減少したという。
国内ネットワーク機器市場はルータやイーサネットスイッチ、企業向けLAN機器からなる。2009年の市場規模は2814億円であり、2008年から20.3%減の大幅な縮小となった。IDC Japanは、通信事業者向けのルータやイーサネットスイッチの売り上げが、通信事業者の次世代サービス向け投資規模の縮小で大きく減少したことが影響しているとみている。ルータ、イーサネットスイッチ、無線LAN機器のいずれも、投資抑制傾向の影響で2008年から売り上げが減少したことも市場の低迷につながったと分析している。
2010年については、ルータ、イーサネットスイッチ、企業向け無線LANの各市場で2009年を上回るとみており、2010年の市場規模は2912億円、前年比成長率3.5%と予測した。企業向け市場の本格的な回復は2011年以降になるが、保留していたネットワーク機器の刷新や企業ネットワークの更新など、2009年に比べて市場環境は改善に向かうとみている。今後の国内ネットワーク機器市場は、大きな市場拡大は難しいものの、企業や通信事業者にとって不可欠なインフラとして安定的な市場を形成するとみており、2009〜2014年の年間平均成長率は0.2%、2014年の市場規模は2837億円になると予測している。