富士キメラ総研は、ホームネットワーク関連製品および機器と関連サービスの国内市場を調査、分析し、その結果を報告書「2010 次世代ホームネットワーク関連市場の将来展望」にまとめた。
同報告書では、ホームネットワークに関連したデジタル家電12品目の市場を調査し、その普及状況やインターネット接続状況などを予測するとともに、ネットワーク機器5品目の市場動向も明らかにした。また、通信や放送関連の15サービスの市場を調査し、その内12サービスをホームネットワーク関連サービス市場として動向を明らかにしている。
富士キメラ総研によれば、デジタル家電の家庭への普及台数は、2009年度で前年度比9.9%増の3億5015万台が見込まれ、その内1億5687万台がインターネットに接続されると見られるという。インターネットに接続されると見られるデジタル家電の90%近くがPC及び携帯電話、PHS端末だとしている。一方、デジタル家電からPC及び携帯電話、PHS端末を除いたノンPC機器のみを対象とすると、普及台数は2億449万台と見込まれるという。インターネットに接続されるのは2067万台で、その内約1600万台が家庭用ゲーム機だとしている。
富士キメラ総研は、今後デジタル家電の普及台数及びインターネット接続台数は共に増加するとみている。特にインターネット接続台数は、ノンPC機器のインターネット接続台数の増加に伴って増加する。地上デジタル放送への移行に伴うデジタルテレビ及びDVD、BD(Blu-ray Disk)レコーダーの普及やゲーム機のネットワーク機能の強化に加え、インターネット端末市場の拡大、デジタルスチルカメラにおける無線LAN対応製品の増加などを背景に、2014年度には5438万台に達すると予測している。
一方、2009年度のホームネットワーク関連サービス市場(12サービス)は、前年度比15.3%増の7443億円と見込まれるという。現状ではホームネットワークは一部のITに関する知識やそれを活用する能力が高いユーザーの利用にとどまっているが、デジタルテレビやインターネット接続機能を搭載した家庭用ゲーム機の普及などは、ホームネットワーク普及の追い風になるとしている。また、NTTが開発する「ホームICTサービス」が開始されれば、家庭内におけるホームネットワーク構築がより容易になるため、さらに大きな後押しとなるという。 そのため、2014年度に向けホームネットワーク関連サービス市場は、2009年度比51.1%増の1兆1250億円まで順調に拡大すると富士キメラ総研では予測している。
富士キメラ総研では、ホームネットワーク関連サービス市場を利用シーン別に「エンターテインメント」、「生活支援、セキュリティ」、「家庭向け省エネ」、「ホームサポート」の4つのサービスに分けているが、2009年度の市場で72%と最も高いウエイトを占めるのがエンターテインメントサービスで、次いで生活支援、セキュリティサービスが22%を占めているという。家庭向け省エネサービスは、2009年度から市場が立ち上がるとしている。