ヴイエムウェアは5月19日、東京都立府中工業高等学校(府中工業高校)が、同社の「VMware View」を導入し、生徒向け実習室の仮想PC化を実施したと発表した。
府中工業高校では、これまで一般的な公立高校のIT環境同様、実習室とPC、アプリケーションが結び付き、PCが空いていても、自由にアプリケーションを利用できない状態になっていたという。今回、VMware Viewを導入してPCからアプリケーションを切り離すことで、生徒がすべての実習室から自由にアプリケーションを利用できるようになり、校内のPCリソースを効率的に活用できる環境を実現したという。
また、コネクションブローカ(VirtualDesktopManager)による仮想デスクトップ接続の振り分け機能も活用している。この機能により、生徒が各実習室のPCから仮想サーバ上のアプリケーションを使う時に、アプリケーションごとにプールされた仮想PCから空きのある仮想PCを探し出し、最適なものを割り当てるという。また、同時使用数に合わせた形でアプリケーションを導入することで余分なライセンス購入をなくし、PCとアプリケーションの一元管理を図っている。
府中工業高校では、必要なPC基盤構築のため、2008年春に校内にワーキンググループを設置、検討を進めた。その際、「更新時期を迎えている3つの実習室から入れ替えること」「全体で15教室ある実習室全体で使えること」「今後、OSやハードウェアを更新しても使えること」の3つをポイントにしたという。2008年9月には、VMware Viewの導入を決定し、2008年11月に実際の導入構築を担当するベンダーを選ぶ入札を実施した。落札したNTTデータがVMware View環境を構築し、2009年1月に3つの実習室の仮想デスクトップ環境が稼働を開始した。その後、他の実習室の仮想デスクトップへの入れ替えに取り組み、2010年4月の段階で15の実習室で300台の仮想デスクトップが稼働しているという。